11月30日、木曜日は夫の在宅勤務の日だ。
一昨日から容態が急変し、少し遠い病院に入院している義母の元へ、家族で見舞う予定にしていた。
昨日の午後に私のみ見舞ったが、うつらうつらしながら鼻にあったチューブを嫌がって外そうとばかりしていた。
私が来た時は目を閉じており、看護師がやって来て、あれこれ取り替えたりすると目を開けた。
意識があるのか分からないけれど、手をさすって何度か呼びかけて、夫ともフェイスタイムをした。
「明日、必ず行くから」
と夫が義母に言った。
「義母さん、また明日」
私もそう言って部屋を出た。
それが義母を見た最後となった。
見舞い時間は14時から18時までなので、子供等が帰ってから皆で行こうと話していた。
遅い昼食後、病院から電話が鳴った。
急いで夫に代わる。
義母がたった今亡くなったと知らされた。
16時、家族全員で義母が眠る病室に行った。
とても綺麗な死に顔だった。
煩わなかったのだなと思うと安堵した。
旧東ドイツのショートステイの介護施設では、夫が週末に見舞う度にいつも顔に痣があった。転倒して頭や顔を強く打つのだと介護士が言っていた。
こちらに来てからはそれがなかったので、痣も消えていて、安らかに眠っているようで、私達が頭や顔を撫でると、今にも目を覚まして起きてきそうだった。
毎日、見舞えて良かったな。
義母の手をさすりながら、色々な話ができて良かったな。
私が作る料理の中で、1番好きだった卵焼きを食べてくれて良かったな。
この街並みをドライブしてくれて良かったな。
この家に来て暖炉にあたってくれて良かったな。。。
全くの自己満足でしかないが、彼女が近くに来てくれた結果、可能になった事もあった。
義母は義父が眠る場所へと埋葬される。
結局、今年のクリスマスを一緒に過ごせなかったけれど、新年を迎えれなかったけれど、最後の最期は、幸せで満足して逝ってくれたのだと信じたい。