ドイツのCMには印象深いものがある。
EDEKAはドイツの大手スーパーマーケットだ。
2015年クリスマス時期に放送されたCMを、現在10年生(高1)の娘は授業で先生から紹介されたらしい。
その時、先生が言ったコメントは次の通り。
「スーパーマーケットのEDEKAとは無関係な内容ではあるけど、感情を揺さぶられるよね。自分にも子供がいて、まだ小さいけれど、子供達がやがて巣立っていって、自分も年をとって奥さんと一緒に過ごす時間が長くなっていって、やがて子供達がそれぞれの生活が忙し過ぎて、何年もクリスマスを一緒に過ごせなくなる日が来るかもしれないって思うと切なくなる。だから今を大事にしたいと思うよ」
既に日本語訳の字幕スーパーで動画を紹介していた人がいたので、今回は、その動画をご紹介します。
こちらがオリジナル。
クリスマスはドイツ人にとって、大切なものだ。
クリスマス休暇を家族で過ごす為に里帰りをする人も少なくない。
ここから高速道路を飛ばして片道約6時間かかる旧東ドイツ地域に住んでいた義母は、今秋からバイエルン州の私達の家の近所の介護施設に住むようになった。
昨年末から彼女は転倒が多くなり、入退院を繰り返し、その内、家で生活ができなくなった。
それで一旦ショートステイで、自宅から1時間ほど行った街にある旧東ドイツ地方の介護施設に入ったが、結局、本人の意向で、一人息子の住んでいる地域の近所の介護施設に移り住むようになった。それからは義母の表情も夫の体調も随分良くなった。
前の施設にいた頃は転倒ばかりを繰り返していたそうで、毎週末通っていた夫がフェイスタイムで見せてくれる義母の顔にはいつも痣があり、虚な目をした無表情の彼女を見る度に切なくなっていたが、うちの近所に来てからはそれがない。施設の人手不足によるものだったのか、それとも介護施設や介護士の質に寄るものなのかは、今となっては知る由もない。
私は毎日訪問し、夫の在宅勤務や日曜日にはこちらに迎えて、一緒に昼ご飯を食べて過ごしている。
義母とは相当なバトルを繰り広げた時もあったが、今の穏やかな表情の彼女を見ると、一緒に過ごした時間は無駄ではなかったのだと信じたい。
今年は義母宅ではなく、息子夫婦の家で一緒にクリスマスを祝えれるのも幸福だと、義母も喜んでくれていたら良いなと思う。