ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

Lapbook

娘が現地校4年生の頃、授業で国についての研究発表をする事になり、学校の方針でLapbookなるものを作った。

補習校のママ友さん達に聞いてみると、彼女達の子供の学校でも確かに世界中の国から1つ選び、各自研究発表をしたが、普通に模造紙に書いたり貼ったりすれば良いだけだったそうで、Lapbookを知らなかった。

私も普通に模造紙でするんだろうと軽く考えていたら、現地校の娘の親友のママ友さんから伺い、仰天した。勇敢にも親友は一番最初に研究発表をやったので(自ら志願して!)、母親は大急ぎで子供と一緒に作ったらしい。

 

 

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Lapbook

出典:www.pinterest.de

 

「インターネットの型紙サイトで好きな型紙をダウンロードして印刷すれば良いから簡単よ」

と言っていたが、自分の操作ミスだと思うがダウンロードができなかった。

しかも、表紙になる台紙自体、何処で買えば良いのかすらも分からなかった。

教えてもらったのだが、見つけられなかったのだ。

最近になって、娘から「これだよ」と教えてもらって呆れてしまったものだ。

 

ともあれ、当時は全て手作りで挑んだ。

幸いにして、娘は最後の方で研究発表をする事になったので、時間は充分にあった。

 

画像がかなり悪いが、ご容赦下さい。

 

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表紙

台紙には同じ色のファイルを2枚使った。

それを折って、一部分を糊でくっつけた。

 

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内側

学校から予め提示された内容は以下の通り。

・歴史

・気候、風土

・名所

・服装、民族衣装

・食べ物

・有名人

・お金

・その他の特色、結婚式について、学校生活

・可能であれば、その国の食べ物を持ってくる。

・可能であれば、国歌を紹介する。

 

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民族衣装、結婚式について

写真やイラストを入れて説明。 

 

 

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気候、風土、名所について

 

日本には、沢山の名所がありますね。

三大名所は外せない。

ピンクの花の蕾を開いたら、富士山、京都の金閣寺、原爆ドーム、姫路城等の写真が見えるようになっている。

 

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歴史、お金、季節、有名人

 

有名人には、皇室、羽生結弦選手、我が街のサッカーチームに所属していた日本人選手、ハローキテイとポケモンの写真を用意した。

皆、任天堂が日本産だと知らなくて驚いていたらしい。

地元のサッカーチームに所属していた選手を恥ずかしながら私達は知らなかったが、クラスの男子は皆知っていて、そちらの方が驚いた。

お金は勿論偽物ですw

 

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制服、食べ物

こちらの子供は制服を着ないので、紹介。

食べ物は、娘が好きな和食や麺類、お弁当(これはドイツでもObentoと表記される)等の紹介。

 

さて課題がまだ残されている。

 

・可能であれば、その国の食べ物を持ってくる。

 

これで対処した。

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鉛筆キャンデイ

出典:カンロPR【公式】

 

我ながらグッドチョイスだったと思う。

当時、こちらで手に入った鉛筆飴はパッケージに国の名前が表記されていたので、娘は発表の最後でクラスメートに配る時、各々に因んだ飴を選んで渡したようだ。

例えば、ドイツ人の子供がデンマークの研究発表をしたのなら、デンマークと記された飴をあげ、またロシア人の子供なら、ロシアと表記された飴をあげた。

その時、

「あなたは〇〇だから、これね」

と言うと、クラスメートは大喜びだったらしい。

誰だって、自分が一生懸命頑張って用意した研究発表や自分のルーツを知ってくれるのは嬉しいものだ。

 

・可能であれば、国歌を紹介する。

 

こちらは、まず、君が代について簡単に説明し、国歌斉唱した。

1分も満たない国歌ではあるが、娘は何度も練習して暗記で挑んだ。

クラスには、外国人やハーフの子供が何人もいたが、自分のルーツになっている国の歌を歌った者は娘以外はいなかった。スマホ越しに母親が歌ったり、音源を録音してそれを聴かせた者がいたくらいだった。

 

さて気になる娘の成績は、見事1(最高)だった。

 

これだけのボリュームを2人で作るのに、2週間以上費やした。

内容もレイアウトも配置も全て、2人で相談しながらやっていった。

子供と一緒に文章を練ったり、どの写真を載せるかを考えた。娘はかなりの時間をかけて文章を書いていた。

イラストは全て娘が描いている。折り紙は私が折った。

 

小学校までの研究発表や作文は、親が介入しないと自力ではできないくらい、求められるレベルが高い。日本ではどうだろうか。

親が手伝ったからと言って、目鯨を立てる教師はいない。

寧ろ、その方が好印象と映る。

子供は最初は大人や手本を真似ながら勉強をしていく。

親はあくまでもサポーターであり、子供の意思を尊重しながら、1つの作品を一緒に作り上げていくのだ。

ギムナジウムに通う今は、親のヘルプなしで大抵の事をこなしていっている。

4年間、みっちり寄り添ったから、次は何をしたら良いのか既に子供は分かっているのだ。

 

ドイツの子供は2年生くらいから、1つのテーマで研究発表をするようになる。

1人でやったり、複数でやったりするのだが、こんな事を毎年何回もやっていたら、そりゃあ、ガンガンに発言するのも上手くなるだろう。

Lapbookは初体験だったが、こちらの大学で死ぬ程研究発表をやってきた身としては、大体状況が掴めていたのが幸いだった。

もし経験がなかったら、路頭に迷っていたかもしれない。

 

娘は30分もかけて発表をした。振り返ってみて、本当によくやったと思う。

クラスメートからの評価は

「一見すると、今迄の研究発表のLapbookの中では1番小さいが、開いてみると、色々な物が出てきて面白かった」

だったそうだ。教師からは

「自分の母親の国のルーツを生活の中でしっかりと受け継いでいる」

と言ってもらえた。娘の場合、日本語のみならず、ドイツ語も頑張っているので好意的にみてもらえたのだと思う。

 

クラス全員のLapbookは、その後、廊下に展示されたらしい。

ここで事件が起こる。

手癖の悪い子供がいるようで、デンマークの研究発表をした子供が持ってきた砂鉄やロシアの研究発表の際に紹介した古いコインを盗まれたらしい。

誰がしたのかは知らないが、手癖の悪い子供がいる事は知っていた。

娘が小学校1年生の時にランドセルにつけていたアクセサリーがなくなり、結局見つからなかった。

他の子供の持ち物も無くなったという話も聞いているので、偶然とは言い切れない。

結局犯人は分からず終いだが、この一点だけは、学校管理の緩さを感じてしまうが、それ以外は、楽しい小学校生活を娘は送っていた。