ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

Sitzen vier Polen im Autoの作家さんが、倅達に会いに来た。

 

ポーランド人の家族が1989年にドイツへ逃れ、そこで起きた数々のカルチャーショックな出来事を綴っている。

筆者本人の実体験を元に書いている。

 

倅の学年では、この作家がギムナジウムにやって来て、自身の本を音読し、そして語ってくれたらしい。

娘の時もミュンヘンに住んでいる男性の作家が来てくれた。

その前に娘も読んで、講演の後、個人的にインタビューをしてサインをもらった。その上、写真まで一緒に撮ってもらい、娘は上機嫌だった。

 

倅の時も2月頃に先生から知らせが来たので、早速本を購読した。

作家さんは自分の本を読んでくれていたら、とても嬉しいと思うよと促してみた。

娘と違って、倅は読書が苦手だ。

しかし、これもまた1つの訓練と捉えて、できるだけ沢山の本を読ませたかった。

なので、こうやって課題図書や推薦図書が定期的にきたり、更には作家本人が学校で読んだり講演を行うのは、私としては大変ありがたい。この本に関して言えば、移民や難民が多い我が街にはもってこいのテーマなだけに、学校側も適書と思ったのかもしれない。

 

倅は読み進める内に色々な疑問が出てきたようだ。

欲しいお菓子を手に入れる為に、祖父からもらった大切な思い出の品を手放すのは納得がいかなかったようだ。そして家族4人だけで逃げて来たけれど、どうして祖母を置いてきたのか、とか。

資本主義国で育った倅には理解しにくい所もあったようだが、こうやって、自分とは違う意見にも耳を傾けるのは決して悪い事ではない。

 

さて当日、実は倅1人だけが本を買い、それを持参していた。

その事でまず先生が驚き、クラスメートが驚き、そして女流作家も驚いたようだった。

それから倅が全部読んでいた事にも驚かれたらしい。

作家さんに無事にサインを頂き、少しお話ができたようだった。

パイナップルのイラストまで描いてくれた。

作家さん曰く、彼女がポーランドにいた頃は、パイナップルもなかなか手に入らなかった。初めてパイナップルを手に入れた時、近所の皆が珍しがって写真を撮りにきたらしい。

そんな思い出があるから、それをサインをする際にも描いてくれたようだ。

 

本離れが進む中、こうやって紙の本に触れたり、作家本人がやって来て話をする事で、読書するきっかけになってくれたら良いなと思う。