ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

【映画】菊次郎の夏

参考文献:amazon.co.jp

 

菊次郎の夏

公開日 1999年6月5日

上映時間 121分

監督 北野武

 

クリスマスなのに夏休みのロードムービーってどゆこと?!と思うこと勿れ。

先日、夫が印象に残った日本の映画というので、こちらを挙げていた。

ビートたけしこと北野武が監督をした作品で、ダメンズな中年男(菊次郎)と近所に住んでいる少年が、夏休みに遠くにいる少年の母親に会いに行く話である。

 

たまにドイツでもARTEという独仏テレビ局で放送されていて、私も観た覚えがある。

夫曰く、ビートたけしの演技がとにかく良かったらしい。

 

それで今回は倅と一緒に観てみた。

90年代独特の、ある意味寛容な世界が繰り広げられる。

母親に会いに行くという目的が菊次郎のせいでなかなか遂行されなくて、少々苛々してしまったし、菊次郎がとにかくダメダメで、倅に絶対にこんな大人になるなよと言ってしまいたくなるくらいなのだが、風雲たけし城を彷彿とさせる演出が幾つかあり、ついノスタルジックに浸ってしまった。

ろくでなしなんだけど、どこか憎めない菊次郎役を、ビートたけしが見事に演じていた。

 

倅はというと、始めの方こそ、退屈そうにしていたが、少年が行く先々で出会う優しい大人達と一緒に遊ぶシーンが、ブラックユーモアもあり、それがとても面白かったようだ。

帰路につく最中で、2人は行き道の時に助けてくれた野郎どもと再会し、彼等と遊びながら何泊も野宿をする。

忙しさに埋没されそうになっている現代人からすれば、彼等は今でも『夏休み』を遂行している。

彼等の遊びは至ってシンプルで、『だるまさんが転んだ』や『かくれんぼ』を全力で遊んでいる。

大の大人が馬鹿みたいに全力で、1人の少年の為に遊ぶのだ。

 

不器用でいて優しい。

言葉がきつくても、温かさが滲み出ている。

少年の中にかつての自分を見た菊次郎は、きっと少年と遊ぶ事で、当時の自分を癒していたのかもしれない。

 

※※※※※

 

最後に、倅が

「お母さん、とても面白かった。もう一回、あの映画のタイトルを教えて」

と言ったのは嬉しかった。

 


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