ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

昨日の敵は今日の友。

男の子も照れるよな。

 

A子ちゃんは娘の元友達で、現在は進路が別になったのを機に交流を持っていない。

環境が変わると、縁遠くなっていくのだなと残念に思う。

そんな彼女と入学式前日に公園で遊んだ娘は、ジャングルジムでジャンプして遊んでいた。そこへ同じ年くらいの男子2名が現れ、その内の1人とは、翌日の入学式でばったり会う事となった。それがR君である。

 

もう4年くらい前の話だからR君はすっかり忘れていたが、A子ちゃんの話をすると、そこはしっかりと覚えていて、

「凄く積極的な女子がいて、僕に言い寄って来るから困ってジャングルジムから飛び降りて逃げたのを覚えている」

と言っていた。

そ、そうなんか。。。

 

そんなR君もクラスは違えど、娘と同じ理系の9年生だ。

落第やら留年やら、はたまた転校やらが普通にあるドイツの学校では、あの子も無事に進級できたかと思うと、面識がない子供であってもホッとしてしまう。

 

ところで、現在小4の倅は、その特性故に人間関係でよくトラブルになったりして、転校当初は同じクラスの敵対君や、隣のクラスで集団になって苛めてくる意地悪君達と、よく揉めていた。

3年生が終わる頃になって、それも随分緩和してきたようで、今となっては敵対君や意地悪君とも仲良く遊んでいる。

倅は相変わらずの繊細さんで、ちょっとした事ですぐに凹んで絶望的に落ち込んでしまう。

実は月曜日に、それで学校から飛び出して家に帰ろうとすら思い、実行に移そうとしていたらしい。

それを敵対君と現学級委員が気付き、引き止めてくれた。

倅は思い直し、教室に入って普通に授業を受けた。

後にスクールカウンセラーが倅と話した。

それから敵対君と2人で、カウンセラーの部屋でチェスをして遊んだそうだ。

倅はチェス友達ができて喜んでいた。

 

私は話の一部始終を、倅から、担任から、そしてカウンセラーから聞いた。

ありがたいのは、カウンセラーが倅をよく理解してくれ、そして力になってくれている事だ。何故、そのような事態に至ろうとしたのかをキチンと把握していた。

倅のようなタイプの子供は、一定数の大人には受け入れられ難い。現に、幼稚園でも療育園でも散々な目に遭った。

カウンセリングを定期的に受ける事で、倅の心は随分落ち着いてきた気がする。カウンセラーの計らいで敵対君を誘ってのチェスも妙案だったと思う。

恐らく、同じくらいのレベルなのだろう。楽しく過ごせたと倅は言っていた。

 

「僕は引き止めてくれた敵対君に、心でお礼を言ったんだ」

と言うので、

「じゃあ、明日はちゃんと声に出して、敵対君と現学級委員君にお礼を言おうね。きっと喜ぶと思うよ」

と話したら、翌日はちゃんとお礼を言えたらしい。

「どういたしまして、と返ってきたよ」

 

敵対君にせよ、意地悪君にせよ、彼等の中の嵐が過ぎてからは、彼等なりの正義感で倅をサポートしてくれているようだ。

男の子の場合、荒っぽいやり方で友情を育む時もあるのだろう。倅達を見て、そんな風に感じた。