4月29日からミュンヘン日本語補習校は新年度を迎えた。
娘は高1、倅は小6となった。
教室に入る直前まで、倅は緊張していたのか「お腹が痛い」とか色々ぼやいていたが、放課後は割とスッキリした顔をしていた。
体育館では学年毎に分けられ座り、始業式と入学・入園式が行われた。
例年通りではあるが、567禍中はこれらの行事も不可能だったので、一同に集まった子供達を見て感慨深いものを感じた。
倅達は昨年度の最終日に新しい教科書をもらったが、娘はここで初めて渡された。
縦割りクラスとなるので、高2の人達と一緒に過ごすようになる。
2人共、楽しい補習校生活を送ってもらいたいものだ。
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娘と結婚についての話になり、日本ではお色直しをするんだよ、2〜3時間くらいで結婚式は終わるとは話した。
そういえば、ドイツではポルターアーベンドという婚礼前夜祭という風習がある。
婚礼前日に家の前で陶器を割り、それを新郎新婦が箒で履いて片付けるのだ。
陶器の割れる音が邪気を祓い、不運や悪魔を遠ざけると言われており、割られた陶器を2人で片付ける事で、2人の結婚生活は幸福になるというのだ。
陶器製のものなら何でも良いようで、中には古いトイレの便器なんかも持ってきて割る事もあるとか。
私達夫婦はポルターアーベンドをしていないし、住んでいる街ではお目にかかった事がないが、未だ存在している風習のようだ。
私が見た結婚式は、車のクラクションを鳴らして道路を走っているものくらいだ。
それはさておき。
ふと思い出して、自分達や妹の結婚式の写真を出して見せてやった。
娘曰く、夫の見た目が随分変わったようで、お父さんって感じがしないらしい。
その後、パラパラ捲っていくと、子供等が生まれる前に行った街や国の写真が出てきて、娘は少々ショックを受けていた。
そうなのだ。
子供が生まれる前は、近場ではあるが、割と色々と観光していた。
私達夫婦は旅行好きではないし、子供が産まれ義両親が高齢になってくると、結局は義両親の家くらいしか行けなくなってしまった。
しかも最近は義両親の街や近場の街の観光すら余りできていなかった。
子供等が小さい頃は、義両親の街近辺は観光したり遊びに連れて行ったりもしていたが、義母の手前、なかなかそれも叶わなくなってきていた。
それで娘なんかは、いつも友達から
「あんたは〇〇(祖母の住んでいる街)と日本以外は行かないのか」
と呆れられていた。
「でもその分日本に帰ったら、色々な街に行ってるでしょ?」
と言ったら
「確かにそうだけど、そもそも日本に帰る事自体、滅多にないじゃん。だからどんなに暑くても、絶対に外に出て沢山遊んでやる」
と返されてしまった。
まあね、、、
ドイツ人って、バカンスに命を懸けてるよな。
こちらに住んでいる日本人も、結構な頻度であちこち行っているし。
私なんかは、我が家を拠点として日帰りで行ける場所か、ペンションみたいな所で、1週間くらいボーッとして過ごすくらいで充分だが、お家大好きの娘の意外な発言で、少々考えを改めた。多分、日帰り旅行よりもホテルや旅館に泊まって、非現実生活を体験したいのだろう。
実は今年の夏は日本で過ごす事にしたので、できる範囲で小旅行ができたら良いなと思っている。
今回は、私自身がまだ行った事がない地域にも足を運ぶつもりだ。