娘は現在14歳。9年生(中3)である。
物静君はその娘のクラスメートで、生真面目君達とよくつるんでいる。
生真面目君のグループは、なんとなくリア充に見える男子が多い。物静君は、グループの中でも大人しいタイプで、彼の声を聞く者は少ない。
事実、娘は殆ど聞いた事がないという。
そんな彼は秀才で、全教科1(ドイツでは1が最高、6が最低)だそうだ。
唯一、彼が4を取ったのは、定期的に行われる討論の授業でだった。
聴衆が見守る中、テーマに沿って2人で賛成と反対に分かれて討論するのだが、大人しすぎる物静君は上手く発言できなかった。それで結局4という評価をもらってしまった。
とはいえ、それが彼の(現段階の)人生に於ける最初で最後の4であったのは言うまでもない。
ドイツの学校の成績は筆記試験のみならず、口頭試験の結果や授業態度等も反映されるので、たとえ筆記試験の成績が悪くても、授業中に発言をしたり発表をこなす事で評価が変わってくる。
個人的には、こういう成績の付け方は良いなあと思う。
子供が自分の強みを活かして、成績を上げれるからだ。
討論会や研究発表を定期的に持つ事で、子供達の意見交換が活発になる。
ドイツ人が物怖じしなかったり討論好きなのは、こうやって若い時から培われてきた結果なのかもしれない。