ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

習い事の話。

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注意欠陥多動性障害と自閉症スペクトラムを併せ持つ倅は、4月から姉が行く某日本の武術の道場に通っている。

娘は青年用コースに行けれる年齢に達したので、現在はそちらに行き、入れ違いに倅が入った事にな、面倒見が良く、人気のある娘に比べ、倅はどうしても悪目立ちが過ぎるようだ。

しかも道場が、倅が現在通っている小学校の体育館を使わせてもらっているのあり、倅と同じ学校の子供達も何人か通っている。

倅の普段の学校での評判等も耳にして、それは残念な事が多い。

それで、通わせるのを迷っていたが、本人は「行ってみる」と言うし、子供時代に倅と同じ経験をしている夫に言わせると

「悪い所からスタートしても、本人の努力次第で状況は変わってくるのではないか」

と楽観的だ。先生からは

「もっと大変な子供もいたから、大丈夫だよ」

とは言われたが、型の覚えが良くないし、こういうのも才能って必要だろうから、もし、やっぱり難しい、となったら、その時は潔く退会するからねと夫や倅に話した。

 

個人的には、習い事であれ、少々粗野な若い男の先生というのは、現在の小学校の現状を省みるに、非常にありがたく思う。

これは決して偏見があるわけでも侮蔑しているわけでもないが、女性が多い現場では、とかくヤンチャな男子は悪目立ちしてしまう。

倅のようなタイプの子供は、特に問題児扱いにされがちで、この場に不適合の烙印を押されてしまうようになる事もあり得る。

療育系のような特別な場所であっても、担当する大人との相性が悪いと最悪な結果になる。

勿論、特別な知識がなくても、相性が良かったり、経験やそれこそ教師としての才能や知識で、クラスを上手にまとめる先生もいる。実際、昨年度の先生はそういうタイプだった。

今の倅の担任がそのタイプであるかどうかは、かなり疑問視されてしまうのが残念な所だ。

 

その中での習い事となる。

娘曰く、道場には倅のようなタイプの子供が沢山いるそうで、という事は、先生はある程度扱いに慣れているかもしれない。

先生達は皆、硬派なタイプだ。

それが嫌で、娘の親友は退会した。

娘にとって大した事ではないので、引っ越し後、また復帰した。すると、かつての仲間達から熱烈な歓迎を受けて、それがまた娘の自尊心をくすぐったようだ。

 

ある時、年齢的に未だ倅と同じグループに所属している男子が、娘に話しかけてきた。

「倅はもうちょっと落ち着いた方が良いよ。彼はもしかしたら注意欠陥多動性障害なのか?」

咄嗟に娘ははぐらかしたようだが、どうして彼はそんな事を聞いてきたのだろうかと、つらつら考えてみた。

別に揶揄うつもりではなく、恐らく、一緒に通っている年子の弟君も同じタイプだから、なんとなく気が付いたのかもしれない。それを確かめたくて、そして自分と同じ立場である娘と気持ちを共有したかったのかもしれない。

 

さて週末に、娘が合宿に行ってきた。

上記の少年とその弟君も一緒だ。

娘達の道場からは、男子4名、女子1名(娘)が参加、そして硬派な男性の先生2人が講師として赴いた。

地域中から集まった青年コースに所属している若者が、より高みを目指して研修に励むのだという。

某武術に因んだゲームをやる事があったようで、アニメで参考になる型を見せてもらい、それを再現したり(ここでアニメ好きの娘のテンションは上がりまくりw 既に観た動画を日本語で聞いて英語で読むから、他の参加者よりも良く理解できてるし)、2人一組になり、立体メモリー(神経衰弱)で自分達の番号がきたら、即座に同じポーズを取るようにする。その時、彼女と相棒が選んだのは、『進撃の巨人』の「心臓を捧げよ」のポーズwで大いに盛り上がった。

施設には室内プールがあり、たっぷりと泳げたし、食事はとにかく美味しかったらしい。

 

今回の参加者の3分の2が女子だったそうで、硬派先生と同僚以外の講師の3名は女性だった。

しかし研鑽の場にも関わらず、武術の向上を図った稽古をつけていたのは、意外にも娘の道場から来ていた硬派先生とその同僚のみだったらしい。日頃から、先生の稽古に慣れている娘達にはお手の物だったが、他の参加者からは

「厳し過ぎる」

と不満が上がっていた。

別にゲームをするなとは言わないが、せっかくなんだから、もうちょっと稽古中心の予定を立てれば良かったのにと、硬派先生には同情してしまう。

更に、上記の兄弟ともう1人の男子が槍玉に挙げられてしまったらしい。硬派先生も、彼等なら大丈夫だろうと判断して参加許可を出したにも関わらず、今回は男子の参加者が少なくて悪目立ちしてしまう程、騒いだか、弟君の場合は、注意欠陥多動性障害の悪い方の特性がモロに出てしまったのかもしれない。

 

娘にとっては、硬派先生の稽古の方が良かったようだ。

逆に他の先生のゲーム中心の優しい楽しい稽古は、彼女には少々物足りなかったらしい。

現在、全身筋肉痛だそうだが、娘の晴れやかな表情を見て、この道場は娘に合ってるんだなと思って嬉しくなった。