倅の鼻風邪は一晩経って、落ち着いたようだ。
しかし今度は娘の方が喉の痛みを訴えたので、火曜日は休ませた。
医者に話して、翌日の水曜日に診察の予約を取り付けた。
倅の方は、学校で1人だけコロナテストを受けさせられていた。
結果は陰性。
それで学校にはずっと留まった。
火曜日は悪い日ではなかったようだが、水曜日は今一つだったらしい。
娘の方は、火曜日は午前中、ずっと寝ていた。
娘はとにかくベッドに篭ってひたすら寝て回復させるタイプだ。
薬が効いて少しでも回復したら動き回る倅とは正反対だ。
水曜日の朝、夫と一緒に車で行き、診察するも、喉風邪だと言われたそうだ。
症状から一瞬コロナかと疑ったが、そうではなかったようで、安心した。
娘の学校の両隣の席は全て陽性か濃厚接触者で誰もいなくなってしまったので、彼女も時間の問題だろうかと思っていたが、どうやら杞憂に終わりそうだ。
夫に関しても同様だ。
一定数、コロナにかかりにくい人がいると聞く。
我が家がそれに該当するかは分からないが、いずれにせよ、今回も大丈夫そうだ。
ところで娘の誕生日は2月下旬で、倅は自分の小遣いで姉にトライアングルを買いたいと言ってきた。
何故、トライアングルかというと、娘がギムナジウムに入って間もない頃、大きな模造紙にクラスで自画像を描いた。各自椅子に座り好きな楽器を演奏しているという設定だったのだが、娘の自画像はセーラー服を着てトライアングルを手にしていた。
ドイツの学校には制服がなく、アニメ好きの娘はセーラー服を着た女子高生や女子中学生に憧れている。
なかなか上手に描けていて、暫くは学校の廊下に貼られていたが、娘が欲しいと言ったのだろう、持って帰って、当時住んでいたアパートの自室の壁に貼っていた。
他の子供達の自画像もそれぞれ個性的で見ていて飽きなかった。
それを倅も忘れていなかったのだろう。
かくして本当は誕生日に、でも間に合わなかったから、ホワイトデーのお返しとして、これまた少し遅れてしまったけれど、倅から娘にトライアングルが贈られた。