もう新年を迎えてしまい、非常に恐縮だが、年の暮れにあった話を書こうと思う。
日本にはお歳暮という習慣がある。
私の母は仲人をしていて、子供の頃からお歳暮がよく届いていた。
何気なく食べていたお菓子やゼリーは、お歳暮で頂いた物が多かった。
結婚してドイツに住むようになって、私達は毎年お歳暮として、日本の親戚にクリスマスに食べるドイツ伝統のお菓子を送っている。
そしてドイツで世話になった人達や友達にも同様にクリスマスのお菓子を贈っているが、この時期は『贈り合う』習慣がこちらにもあるのか、私達も友達や知人から、クリスマス用の手作りの品を頂いたりする。
子供ができてからは、幼稚園や小学校にも年末にお歳暮を持っていった。
「そういう物は必要ない」という人もいるが、大抵は喜んで受け取ってくれる。
配る時に子供に手伝わせるので、子供も嬉しいやら恥ずかしいやら。それでもほんの少し誇らしげだった。
このお菓子を期待してくれる人までいるから嬉しいものだ。
娘が通うギムナジウムには、流石に人数が多いから、もうお歳暮を贈らなくなったが、どうやら彼女が自分の小遣いでクリスマス用のチョコレートを買って、友達や、授業最終日に行われる科目の先生達に配ったようだった。
娘が苦手とするリアルスネイプ先生にまで渡したそうで、先生は戸惑いながらお礼を言われたらしい。
リアルスネイプ先生・・・ハリーポッターのスネイプ先生みたいに、生徒にひたすら厳しい先生で、泣いた生徒も数多くいるという。
先生も、まさか生徒からクリスマスにチョコレートをもらえるなんて、思ってもみなかっただろう。
娘がそういう事をするようになるとはな。
こうやって我が家の伝統は受け継がれていくのだろう。