学校帰りに、倅が
「お母さん、これは誰にも言っちゃ駄目なんだよ。神様にも言っちゃいけないんだ」
と神妙な顔をして切り出した。
何事かと思っていると、どうやら学校でWichtel という行事をするらしく、自分はクラスメートにプレゼントをこっそりと買わなければならない、だそうだ。
なので、本当はブログの記事にしてはいけないのだろうけど、まあ、日本の方々しか見ないから、ノーカンという事でw
ドイツの学校では、毎年クラス単位でWichtel を行う。
グリム童話の『小人の靴屋』をご存知だろうか。
貧しい靴屋のおじいさんとおばあさんのお話だ。
一足分の靴の皮しかなくなってしまったある日、靴の型のみ切り取り、神様に祈ると、翌日には見事な靴が出来上がっていた。
それが高値で売れ、また靴の皮を買い、型のみ切り取っていると、翌朝にはまた立派な靴ができていた。
次第に金持ちになった2人は、クリスマス前のある夜、誰が靴を作ってくれたのか、こっそり作業場を覗いてみると、小人が2人、靴を作っていた。
それに感謝した老夫婦は、小人達の為に、上等な服を仕立て、小さな靴も作った。
そしてある夜、作業場に靴の皮の代わりに用意した服と靴一式を置いておくと、小人達は大喜び。
それを身につけて、何処かに行ってしまった。
その後もおじいさんとおばあさんは幸せに暮らした。
学校の子供達は、小人になり、予めクジで引いておいた贈り主の為に、小さなプレゼントを用意する。(Wichtel とは、小人とか精霊とか妖精とか、そういった類のものです)
誰が誰に贈るかは、絶対に知られてはならない(らしい)。
倅が提示された値段は、大体3〜4ユーロ程。それ以上高くなってはならない。
12月の予定日までに、先生にこっそりとプレゼントを渡しておかなくてはならない。
とまあ、色々とルールがあるようで、子供達は、当日までいそいそと準備をし、何をもらえるか、そわそわして待つのである。
倅が
「自分のお小遣いで買いたい」
と言うので、自転車に乗って、2人でドラッグストアに行ってきた。
ドラッグストアには雑貨や文房具品や、ちょっとした玩具もあるので、子供でも手軽に買い物ができるのだ。
倅が考えていた玩具は10ユーロくらいするので、流石に買えないから、上記の写真の猫(右側)にした。
左側の黒猫はクリスマスプレゼントとして、倅から娘へ贈るつもりで買ったようだった。
さて、贈り主宛のプレゼントと小さなお菓子をラッピングして、名前をシールで貼った。こうしたら、ちゃんと誰宛か分かるからな。
贈り主の反応が楽しみである。
最近、学校の人間関係で問題が出始めていて、学校を行き渋るようになった倅だったから、今日の自転車で買い物に行ったのは、良い気分転換になったかな。。
因みに、娘も学校でWichtel をするらしく、彼女は男子に贈らないといけないから、何をあげれば良いか悩んでいる。
読書好きな男子らしいが、無難なお菓子か文房具品を買うと言っていた。