ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

Wichtel

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Wichtelの為に倅が買った猫達

 

学校帰りに、倅が

「お母さん、これは誰にも言っちゃ駄目なんだよ。神様にも言っちゃいけないんだ」

と神妙な顔をして切り出した。

何事かと思っていると、どうやら学校でWichtel という行事をするらしく、自分はクラスメートにプレゼントをこっそりと買わなければならない、だそうだ。

なので、本当はブログの記事にしてはいけないのだろうけど、まあ、日本の方々しか見ないから、ノーカンという事でw

 

ドイツの学校では、毎年クラス単位でWichtel を行う。

グリム童話の『小人の靴屋』をご存知だろうか。

 

貧しい靴屋のおじいさんとおばあさんのお話だ。

一足分の靴の皮しかなくなってしまったある日、靴の型のみ切り取り、神様に祈ると、翌日には見事な靴が出来上がっていた。

それが高値で売れ、また靴の皮を買い、型のみ切り取っていると、翌朝にはまた立派な靴ができていた。

次第に金持ちになった2人は、クリスマス前のある夜、誰が靴を作ってくれたのか、こっそり作業場を覗いてみると、小人が2人、靴を作っていた。

それに感謝した老夫婦は、小人達の為に、上等な服を仕立て、小さな靴も作った。

そしてある夜、作業場に靴の皮の代わりに用意した服と靴一式を置いておくと、小人達は大喜び。

それを身につけて、何処かに行ってしまった。

その後もおじいさんとおばあさんは幸せに暮らした。

 

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Die Wichtelmänner,Illustration aus Grimms Märchen(1915)
出典:wikipedia

 

学校の子供達は、小人になり、予めクジで引いておいた贈り主の為に、小さなプレゼントを用意する。(Wichtel とは、小人とか精霊とか妖精とか、そういった類のものです)

誰が誰に贈るかは、絶対に知られてはならない(らしい)。

倅が提示された値段は、大体3〜4ユーロ程。それ以上高くなってはならない。

12月の予定日までに、先生にこっそりとプレゼントを渡しておかなくてはならない。

とまあ、色々とルールがあるようで、子供達は、当日までいそいそと準備をし、何をもらえるか、そわそわして待つのである。

 

倅が

「自分のお小遣いで買いたい」

と言うので、自転車に乗って、2人でドラッグストアに行ってきた。

ドラッグストアには雑貨や文房具品や、ちょっとした玩具もあるので、子供でも手軽に買い物ができるのだ。

 

倅が考えていた玩具は10ユーロくらいするので、流石に買えないから、上記の写真の猫(右側)にした。

左側の黒猫はクリスマスプレゼントとして、倅から娘へ贈るつもりで買ったようだった。

 

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倅が娘に贈る為に買った猫

 

さて、贈り主宛のプレゼントと小さなお菓子をラッピングして、名前をシールで貼った。こうしたら、ちゃんと誰宛か分かるからな。

 

贈り主の反応が楽しみである。

 

最近、学校の人間関係で問題が出始めていて、学校を行き渋るようになった倅だったから、今日の自転車で買い物に行ったのは、良い気分転換になったかな。。

 

因みに、娘も学校でWichtel をするらしく、彼女は男子に贈らないといけないから、何をあげれば良いか悩んでいる。

読書好きな男子らしいが、無難なお菓子か文房具品を買うと言っていた。