倅はどちらかというと本好きではない。
読むのが得意ではないからか、字を追う作業よりも映像やイラストを通しての方が理解しやすいようだ。
本は、読書家の妹や母が日本から送ってくれたり、帰国した際に、必要に応じて、子供達に買っている。
夫は何かある度に、付録付きの雑誌を購入して、子供達にあげている。
義母も外に出歩けれる元気があった時は、ドリルや本を贈ってくれていた。
小1の頃は、インターネットの某サイトで、ポイントを集める競争をしていた。
娘の時代は希望制だったが、倅の時は半強制的になっていた。
それだけ読書をする子供が減ってきているのだろうか。
電車やバスに乗っている人達の多くは、紙の本を持っておらず、スマホで時間を潰している。
別に批判をしたい訳ではない。
ただ、時代の流れもあるのだろうという事だ。
それでもページを捲る音が好きで、何かあった時にふと調べるのに、自然と本棚の辞書に手を伸ばす。紙の方が、頭に残りやすいのは確かだ。
娘は高学年になって、補習校では国語辞書を使う作業が増えてきた。賛否両論あるだろうが、個人的には良い機会を与えてもらえて、非常にありがたい。
ドイツでも辞書で調べたり、自分で検索するノウハウを身につけるような事も授業中にやっている。
倅は入眠の際に、友達から頂いたお古の『新レインボーことわざ絵じてん』を読んでいる。
一昨年程前にもらって、その時は一緒に読んだ。
四コマ漫画になっていて、下に意味と類似語や例文が載っている。
何より漫画になっているのが良かったみたいで、暫くはペラペラとめくっているくらいだった。
その内、読まなくなっていたが、昨年度、補習校のオンライン授業で本を紹介する際に、この本を紹介していた。
それから学校が対面で始まり、慌ただしく過ぎていき、マイクラを始めたのもあってか、少しの間遠のいていたが、また復活したようだ。
「夜寝る直前じゃなくて、もうちょっと前にすれば良いのに」
と呆れて言うと、他にも色々しないといけないから時間がないのだと、一丁前の事を言う。
電気を消しても、気が付くと、小さな灯りを灯して読んでいる。
目が悪くなるから止めて欲しいのだけどね。
本を読んで、疑問に思った事を私に聞いてきたりする。
倅なりのペースで、知識が広がっていっているのだと思うと嬉しくなる。