オーストラリアのごくごく普通の家庭の末っ子として生まれたバーナビー・ブロケットは、普通ではなかった。。。彼は無重力で浮いてしまうのだ。
8歳になったある日、空に浮いてしまい、大冒険が始まる。。。
The Terrible Thing That Happened to Barnaby Brocket (English Edition)
- 作者:Boyne, John
- 発売日: 2012/08/02
- メディア: Kindle版
アイルランドの作家John Boyneの児童文学で、娘のギムナジウムで課題図書として推薦されていた。なので、ドイツ語で読んだのだが、どう考えても悲しい状況であっても、描写がそれを感じさせない。
作者のユーモアのセンスに脱帽する。
実は母親が「普通でない」息子に耐えられなくて、バーナビーを宙に浮かせてしまうのだ。
これを読んだ当初、バーナビーと同じ8歳の息子がいる私には続けて読むのが耐え難かった。しかし旅先で様々な人に出会いながら逞しく成長していくバーナビーに心から安堵した。
この本では「普通でない」事を受け入れられない人の苦痛も読み取れる。
それは「普通でない」家族を持った人でないと、理解できない事ではある。
私の倅は空を浮くわけではないが、発達障碍児として判定を下された。
変わってると言われがちな倅。一定数の大人からは眉を顰められる事も多い。
自分もバーナビーの母親と似ている部分があるなあと思った。
しかし私と彼女は少しだけ違う。
彼女は自分からバーナビーを突き放してしまったが(後悔はしたようだが)、私はそれをしない。小さい頃の倅はよくフラフラと行方不明になっていた。駅や人通りが多い場所でも、ちょっとでも目を離した隙に平気でいなくなった。よくもまあ、今迄無事だったものだ。
その都度必死で探し、見付かった時には号泣した事もあった。それだからか、今でも登校中、手を繋いでしまっている。
倅が極端に甘えん坊なのは、私のせいだ。
でもいつでもフラッといなくなるかもしれない倅の手を、今はまだ放したくないのだ。