ドイツでは小学校3年生から英語の授業が始まる。
と言っても、始めはお遊びのようなものだった。
先生は最初の挨拶で、児童達に
「How are you?」
と呼びかけ、
「I'm good, I'm great, I'm wonderful!」
と返すように示唆。
夫は首を傾げて、今の英語教育のあり方に疑問を持っていた。
私が興味深かったのは、私達なんかは
「This is a pen」
から確かに習ったのだけど、夫の言うように
「How are you?」
には
「I'm fine」
で、夫と同じだった事。
なんとなく、ドイツ人はもっと違った英語を習っていたのかなと勝手に想像していた。
私の若い頃の日本の文法重視の英語教育で海外に行くと、確かに臆して話せなくなる人もいるかもしれないが、実際はそんなに悪くないと思う。
話すのは、慣れと性格もあるから。
しかし文法や読解は地道な努力でやっていくしかない。
因みに、この地域で生まれ育ったママ友や夫の友達も、彼と同意見だったので、まあ、40代、50代の人達の英語教育は、大体似たり寄ったりなのだろう。
さて、そんな事を2年間やってきた娘は、ギムナジウムの最初の年に現実にぶち当たり、相当苦労していた。英語の授業を英語で受け、ワンダフルな状態では済まされなくなったのだ。
しかも現在のギムナジウムでは、英語が主教科の1つなので、これを落とすと相当ヤバくなる。赤点こそないものの、かなりギリギリ路線だった。
他の主教科でカバーできているのが幸いだった。
ただ英語を英語で授業を受けるのには利点がある。
その時間だけでも無理矢理、英語脳になるので、確かに発音なりイントネーションなりは、それなりになる。因みに英語がネイテイブの先生に教えてもらっていた。
6年生になってからは、教科書に沿った問題集を購入して、それを余分に勉強していた。
その途中にコロナ禍になった。
さて、どうなったか。
娘は自分のタブレットで、好きなYoutube動画を見始めた。
音楽動画やゲーム実況や好きなゲームアプリで作った吹き出し付きのアニメで、しかも英語圏が殆どだった。
倅も一緒に見ていて、毎回彼の為に翻訳をするようになり、いつの間にか英語が得意になっていた。
つまり娘の英語はYoutube様様なわけだ。
時々、子供達は無料のオンラインゲームをするが、そこでは最初にチャットで会話する言語が英語なので、ゲームを進行しながらチャットで、ブロークンながら英語で会話している。娘だけではく倅もそうなので驚くばかりだ。
その事を友達に話すと、
「分かる。うちの息子はスポンジボブで鍛えた」
と教えてくれた。
私の場合、中1で英語を捨てた身であっても定期的に英会話を勉強したくなるが、いかんせん、なかなか口がついていけない。
諦めずに、コツコツやっていくしかないか。