再来週からバイエルン州では秋休みとなる。
その前後に子供達は中間考査を受けねばならず、特に主要科目は良い成績を取らなければ進路に関わってくるので、親としては気をもまずにはいられない。
ドイツの成績表は日本のそれとは真逆となり、1が最高で6が最低となる。
その数字に更に、+や−がつく場合がある。数字のみの場合も当然あるが、例えば、2+ » 2 › 2− という構図が出来上がる。
現在12歳、ギムナジウム7年生(つまり中1)の娘の中では、プラスよりもマイナスの方が精神的に楽なのだという。
「だってプラスだと、あともう少しで上の成績に行けたのにと悔しくなるけど、マイナスだったら、下の成績に行かなくて良かったと心からホッとするから」
だそうだ。
コロナ禍の弊害で、多くの子供達の学習能力の低下が嘆かれている。
私の娘も例外ではない。
主要科目以外の成績が良い場合であっても、何がしかの譲歩をしてもらえるわけではない。大袈裟に思われるかもしれないが、1年留年したり、更にはレベルの低い学校に転校する事も普通にあるのだ。
アビトウアと呼ばれるギムナジウムの卒業試験に合格できなくて、他のギムナジウムで新たに1年通って、アビトウアを受け直した子を知っている。
またアビトウアに失敗して絶望して、命を絶ったり、自暴自棄になってしまう子供もいるのだ。たかが卒業、されど卒業、なのである。
私の倅は小学校に1年遅れで入学した。
発達に問題のある子供なので、それはそれで良かったと思っているが、周囲は
「そんな事しなくても良いのに」
と言う人もいたし、倅自身も、友達よりも1年遅く入学する事を気にしていた時期もあった。
しかし、高学年になると、昨年度までは上級生だった子が、今年度から同級生になった、という話を聞くにつけ、1年遅らせて入学してもあまり関係ないように思えてきた。
自己肯定感の低い私が育てたにも関わらず、娘は鋼のような楽観主義に育った。自己肯定感はかなり高い方だと思う。これは本当にありがたい。
きっと楽観主義の夫に似たのだろう。
持ち前のポジテイブ精神で、一つ一つ試験を確実に乗り切ってもらいたいものだ。