2011年、ウイリアム皇太子とケイトさんの結婚式がテレビ中継され、世界中の人達が皇太子の幸せを願った。
私達もドイツで生中継を観た。
当時3歳だった娘も一緒に観て、夫が
「娘ちゃんは将来、ケイトさんみたいなお姫様になりたいのかな」
と聞いたら、
「こっちが良い」
と指さしたのは尼さんだった。
その後、絆創膏屋さんやサンドウイッチ屋さん、更には子供ニュース番組のレポーターと遍歴を重ね、今では年金生活者になりたいらしい。
娘と倅は4歳違う。
娘が赤ちゃんの頃から倅を出産して3ヶ月ほど経った頃まで、夫は単身赴任で2週間に一度しか家に帰ってこなかった。
その間、娘は私とずっと2人で暮らしていたからか、将来誰と結婚したいかと質問された時に、お父さんとではなくお母さんと結婚したいと宣い、夫を大いに悲しませた。
そんな娘であったが、楽しい年金生活者になる為に、今は父親と同じエンジニアになりたいらしい。それを聞いた夫は大喜びだ。
将来何になるか、まだ時間がある。
仕事上、やりたくなくても、しなければならなくなる事もきっとあるだろう。
でも選択肢が沢山あれば、気持ちにゆとりが生まれてくるのではないかと思う。
ドイツは早くから進路が決まってしまうが、やる気があれば、上の学校に行ったり、専門知識を新たに身につけて、色々な職業に就く事もできる。子供達がどのような道を進んでも、本人達が納得いくものであれば、それはそれで良いのだと思う。