金曜日、夫は壊れた愛車が保管されている、ここから約60km先にある場所に行き、中の荷物を持って帰った。
そこまでは保管場所が扱っているレンタカーで行ったが、ここで返すようになるので、帰りの足がない。
保管されている場所から最寄りの駅に行き、そこから電車に乗って帰ってきた。
朝、スマホの充電が余り多くなされておらず、充電器を持っていきなよと言っても、結局は持っていかなかった。
もしあったら電車で充電可能なのに。
残り僅かで電池切れになる時、電話がかかり、今、ようやく自分達の街に着いたと言う。
どうやら中央駅ではなく、3年前まで住んでいた地域の駅で下車したようだった。そこからだと3km強の道をバスと路面電車を乗り継いで帰るようになる。
引越した現在は、中央駅の方が路面電車1本で帰れるから楽なのだが、車ばかり乗っている夫には把握できなかったようだった。
子供等は夕食を済ませてからモノポリーで遊んでいるので、私はもう暗くなった夕方の道で、夫の帰りを待つ事にした。
家から最寄りの路面電車の停留所までは歩いて3分もかからない。
暗がりを歩いていると、ふと懐かしい光景が蘇る。
日本で留学生だった夫と付き合っていた頃も、こうやって彼の研究や学業が終わるまで待っていた。
当時はスマホなんてないし、ポケベルのような小洒落たものは持ち合わせていなかったので、大体の予測を見積もって外で待っていた。
夫からすると、長時間外で待たせるようになるかもしれないし、もしかしたらすれ違いになるかもしれないから、そんな事をしなくても良かったのだろうけれど、ずっと待っていたかったのだろうと思う。
今もまた、夜道を1人で夫の帰りを待っている。
あの時と同じ状況ではないか。
そんな風に思っていると、向こうから夫が重たい荷物を抱えて汗だくで帰ってきた。
バスで路面電車の停留所まで行ったのは良かったが、路面電車が事故か何かで動かなくなった。それでそこからは徒歩で帰るしかなかった。
私が待っていたのを見て驚いたようだった。
とても嬉しかったようで、何度もお礼を言っていた。
荷物を半分持ってあげ、並んで歩き、家路に着いた。
夫も私と同じ光景を見たのかもしれない。
◆◆◆おまけ◆◆◆
どーしても食べたくなって作ったドーナッツとブルーベリーが爆発したマフィン。
形が悪いのはご愛嬌ということで。