ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

乗りたかったけど、乗れなかった動物

今週のお題「乗ったことがある動物」

 

小さい頃の私は成長が早かったようで、小学校低学年にしては、かなり大柄女子だった。

父は若い頃に体操をやっていて、その為、私や妹に毎晩、布団を敷いてマット運動を教えてくれた。

家の屋上に親戚で集まった時には、2人1組で運動を行ったりして遊んだのも良い思い出だ。

 

そんなある日、叔父の1人が体操をしていた私を見て

「大きいなあ」

呆れたように呟いた。それ以来、自分が男子よりも身長が高かったり体重がずっと平均値より上にある事を恥じるようになった。

それは単に成長が人より早かっただけで、ずっと続くわけでもなく、初潮を迎えると、自然とそこで成長も止まってしまった。

中学に入ると同級生がどんどん自分を抜いていった。

結局、50代の今は日本人女性(50代)の平均くらいで落ち着いている。

 

しかし、叔父の一言は、当時の自分にかなりのコンプレックスを植え付けたようだ。

ずっと長い間、自分は太っていると思い込んでいた。

 

小学校中学年くらいに家族で鳥取に遊びに行った際に、砂丘にも立ち寄った。

そこには一頭のラクダがいて、乗せてくれるという。

両親は娘達2人に乗るか?と聞いてくれたが、私は自分の体型を恥じて断った。

私はデブだから、ラクダもきっと重いだろうと思ったのだ。

実際は大人の男性でも乗れるくらいなんだから、そんな風に思わなければ良いのに、叔父の一言が呪いの言葉のように自分に絡まって頭を離れなかったのだ。

何も知らない妹だけが、頭にアラブのクーフィーヤを被らせてもらって嬉しそうにラクダに乗った。その写真は今でも実家にある。

 

いつしか結婚してドイツに住んで子供が生まれた。

子供等がまだ小さかった時、近所にサーカスがやって来た。

そこではサービスで子供達を馬やラクダやロバに乗せて、舞台上をぐるぐると回らせてくれるのだ。

緊張しながら、でも嬉しそうに動物の背中に乗る子供を見る度に、あの時、自分もラクダに乗せてもらえば良かったなと、ちょっぴり後悔するのである。