男性と女性とでは、歩幅が違うので、どうしても男性の方が速く歩いてしまいがちだ。
娘とて、のんびり歩いていたわけでもないのに、後方からやってきた上級生の男子の方が歩くのがとても早く、今にも抜かれそうだったとか。
しかし娘も負けていない。
勝手に闘いを挑み、引き離し?に見事成功した娘は、それを誇らしげに報告してくれた。
これが夜だったら、結構怖いよね。
全然関係なくても、ドキドキしてしまう。
娘は夜には出歩かないが、中には街で友達と遊びまくってしまい、終電が過ぎたら、親に迎えにきてと電話してくる中学生もいるとか。
私なんて近所にある習い事で遅くなるのだって心配なのに、そういった話をその親御さんから聞かされた日には、ただただ驚くしかない。
つい最近、娘の同級生の1人が4人目の彼氏と別れたとの噂を聞かせてもらったばかりなので、早い子は本当に早いよなあ、、いやいや、今のご時世、そっちの方が普通なんだろうかと考え込んでしまった。
そんな娘は、今日は宗教の授業の一環で、ユダヤ関係の施設やらを巡る遠足に出かけている。
今年度は、歴史の授業で世界大戦を習っており、宗教の授業ではユダヤ教の研究発表をしなければならなかった。
娘は洗礼を受けていないが、一応夫の宗教であるプロテスタントの授業を受けており、今回はグループ毎に分かれて、ユダヤ教徒の墓地やシナゴーグと呼ばれる会堂を巡る。
近所にいるクラスメートは現在フランスに短期滞在中なので、初めて行く集合場所までは、私も一緒に行く事にした。
途中で乗り換えをして暫くすると、娘の顔見知りの女子が数名で乗り込んできた。娘の態度から親しそうな感じが垣間見える。
「もう大丈夫かな。お母さん、ここで降りても良い?」
と言うと
「えー!」
と驚きながら
「うん、まあ、いいよ」
と承諾。すぐに下車して、後ろを振り返ると、顔見知りの女子達は娘に話しかけ、一緒に近くの席に座っていた。
ちょっとホッとして、家路に着いた。