11月11日の夜、私達が住んでいる地方では、霧がかかって幻想的な景色が広がっていた。
子供等がふと思い出したように
「今日は聖Martinの日だ」
と言うではないか。
本当だ!
今日は幼稚園児が提灯行列をして、聖Martinを祝う日だった!
マルテイヌスという兵士が物乞いに自分のマントを半分に割いて与えた。実は、その物乞いはイエス・キリストの変身した姿で、後に彼はキリスト教に改宗する。
そんなマルテイヌス(Martin)を讃え、小さな子供達は火を灯した提灯を持って近所を歩く。
我が子供等も幼稚園時代に手作りの提灯を手に歌いながら近所を練り歩いた。
幼稚園に戻って、ホットドリンクとガチョウを型取ったパンを食べ、キャンプファイヤーをした。
娘がまだ小さかった頃は、赤児の倅をベビーカーに乗せ、寒くて暗くて怖がってギャン泣きしている娘をあやしながら、皆の後を追いかけた。
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さて、すっかり忘れてしまった聖Martinの日。
果たして本当に幼稚園児達は、あの霧の中を提灯を持って歩いたかは定かではない。本来ならば、この日にはガチョウを食べるが、それもままならず。
せめて翌日にガチョウ型をしたパンを買おうと思って、ミュンヘン市内のパン屋を渡り歩いてみたが、ちっとも見つからない。
やっぱり当日がベストなんだよなぁ。。
やっと見つけたのは、なんだかブサカワな人型パンのみ。
一応、Martinmannと名称にあったので、聖Martinのつもりなのだろう。
子供等に買ってあげた。
来年は、忘れないようにしないと。
てか、ガチョウの型抜きを買って、自分で作ろうかな。
そういえば、最近は、一部の幼稚園では11月11日は聖Martinの日とせず、提灯行列の日だとして行事を行なっているようだ。つまり、本来の意味であるキリスト教の祭りという形にしなくなっているようで、経緯を知らない子供もいた。
個人的な意見で言うと、残念ではある。
祭事というのは、その国の文化や宗教が色濃く反映している場合が多い。
そういった経緯を学ぶ事も、自分が今、住んでいる国を知る上でも必要だと思う。
子供達は幼稚園で、または小学校の宗教の時間で、祭事に因んだ話や歌を教わる。
14歳の娘は今でも聖Martinの歌を覚えている。
小さい頃に覚えたものは、忘れにくい。
文化を大切にする事は、心を豊かにする事に繋がると思う。
聖Martinの日の提灯行列の様子↓
引っ越す前まで、古いアパートに手作りの提灯を飾っていたのを思い出した。
私の子供等の幼稚園では、小さな豆球を入れて光らせていたが、本物の蝋燭に火を灯して提灯行列をする幼稚園もあるそうだ。