ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

11月11日は聖Martinの日

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今日は聖Martinの日だ。

これはマルテイヌスという兵士が兵役に就いたある冬の日に、物乞いに自分のマントの半分を裂いて与えた。実はその物乞いはイエス・キリストの変身した姿だった。というもので、その後、マルテイヌスはキリスト教の洗礼を受けている。

兵士からトウールの司祭にまでなったマルテイヌスを祝し、11月11日に小さな子供達はお手製の提灯で歌いながら近所を提灯行列する。その後、幼稚園で焚き火を囲み、ガチョウの形をしたパンケーキやクッキーを食べてお開きとなる。マルテイヌスはドイツ語でMartinとなる。

西洋のお祭りは、キリスト教が原始宗教や風習と交わりながら現在の形と成しているものも多い。この聖Martinの日も似たようなものだ。

収穫祭がこの日に行われていて、南瓜や蕪をくり抜いて、提灯を作り、それで行進する地域もある。

 

因みに、ガチョウ料理を食べるのも慣わしとなっている。

何故、ガチョウかというと、マルテイヌスがトウールの司祭になれと命じられた時に、嫌がって、ガチョウ小屋に隠れていた所、ガチョウが騒いでしまい、見つかってしまった。それで罰として、ガチョウを食べるんだそうな。

折角、ここに聖人がいまっせ♪と教えてあげたのに食べられてしまうなんて不憫ではある。

ともあれ、ガチョウを食べながらワインを堪能するのも一興だ。

 

娘がまだ小さかった頃は、暗い寒空の下で行われる提灯行列が苦手だった。

特に倅を乳母車に乗せて、暗くて怖がる娘の手を引いて、行列に参加するのは至難の業だった。不運なことに、提灯の中に入れた豆電球の点きが悪くて、点滅ばかりしてしまい、余計に娘は怖かったのかもしれない。ごねて泣きまくるのを怒ったり宥めたりしている内に、とうとう一行が見えなくなってしまった。

何処が到着地点でどの経路を進めば良いのかさっぱり分からず、心細さで途方に暮れていた所、見知らぬ年配の女性が娘を自転車に乗せてくれ、途中まで一緒に歩いてくれた。

娘の幼稚園がある小さな街では、このような近所付き合いが普通に行われていた。

翌年は夫が途中から参加してくれ、帰宅も車だったので、ホッとしたのを覚えている。

倅は3歳の時に近所の幼稚園で1回、その後、療育園で提灯行列を経験している。

提灯はお手製で、その中に小さな豆電球を灯す。

あるママ友の住んでいる場所では、本物の蝋燭に火を灯して提灯行列を行うそうなので、保育士や園の方針で異なるのだろう。

 

今年はコロナでこの行列は中止となるか。

来年には小さな子供達の歌と提灯行列が復活したら良いなと思っている。