ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

バイリンガルは1日にして成らず。

 

そもそもバイリンガルとは、二カ国語を自由に使いこなす事や人を指すらしい。

つまり2つの言語の「読む」「書く」「聞く」「話す」が同じくらい流暢である事だという。

とはいえ、学校でちょっと習っただけの人ですら、就職の面接で

「〇〇語ができます」

と堂々と書いたりするので、そういう場合はどうなんだろうと思ってしまう。

 

娘のクラスでは、ロシア語とドイツ語のバイリンガルが多くいるという。

ロシア系の移民二世や片親がドイツ人のケースだろう。

また、本人が移民や難民だったケースもある。

トルコ人の場合は、移民三世、四世あたりか。

 

娘のように、独日ハーフでも、余分に補習校に通って、本場の教科書を使って日本の子供達と同じように勉強している子供は少ないようだ。以前、同じクラスだった女子はドイツ語とポルトガル語だかのバイリンガルで、週に1回平日の夕方に補習校に通い、ポルトガル語で勉強をしていると言っていたが、それ以外の子供は、親や親戚と話す言葉をそのまま受け継いでいるので、話せても書けない、読めない子供も少なくない。

前にも少し触れたが、バイリンガル教育は一朝一夕にはできないし、海外に住んでいる=その国の言葉が喋れる訳ではない。また、国際結婚で生まれた子供達全てが、両親の国の言葉を完璧に使いこなせるかと言ったら、それも怪しい。

日本語の場合は、漢字のみならず、平仮名、片仮名があり、更に漢字の読み方が複数ある。物によって数え方が異なり、更には国語の教科書では縦書きで右から左に上から下に読み、横書きで算数では左から右に上から下に読む。本の閉じ方も国語と算数では変わってくるので、外国人に話すと驚かれる。

 

小さいうちは、育児サークルに通って、遊びを通して日本語や文化を学びながら、他者との交流を深めるようにしていても、大きくなるにつれ、環境の変化で限界が生じてくる。

長期休暇に故郷に帰って、そこで日本語や文化に触れたりする事以外にも、今では大都市には日本語を扱う塾もあったり、それこそ少人数制のオンライン授業等を利用して、日本語の勉強をする人もいるらしい。

私の場合は、長きに渡り、ミュンヘンの日本語補習校に毎週土曜に通っている。

それまでは自分で考えて、課題を揃えてみたり、親や妹にお願いして送ってもらっていたので、補習校で宿題が出ると分かり、自分で揃える必要がなくなってホッとしたものだ。

日本語補習校には、ミュンヘンだけでなく、その他の地域からも来ており、他学年の保護者とも交流が持てるので、非常に良い情報交換にもなる。

人見知りする自分ではあるが、似た志を持つ人が多いし、学校運営の為の係や当番を通して、沢山の人と会うようになるので、気が合う人と出逢う事もある。

私が住んでいる地域にも日本人中心の育児サークルや交流会もあるにはあるが、補習校の方が居心地が良いので、そことの交流は殆どない。

 

また土曜日から日本語補習校が始まった。

ミュンヘン日本語補習校には図書室があり、そこには保護者のみならず、補習校の生徒や外部会員と呼ばれる補習校の会員ではない人達も本を借りに来る。

コロナ禍で長期ロックダウンがあった為、その当時は一時閉鎖を余儀なくされたが、現在は人数制限を行ないながら開室をしている。

それでもロックダウン前に比べて利用する人は減ってしまったが、また通常運転に戻れたら利用する人も増えてくるだろう。

 

娘や倅が短いながらでも自分の思いを綴ってくれる文章は、私にとっては宝物となっている。

現在、子供達は趣味で漫画を描いていて、構成具合もどんどん工夫されてきているのを見るにつけ、どんな形であれ続けていくのは大切だと感じている。