ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

信頼が肝心。

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先生の熱血指導

 

娘は現在ギムナジウムの8年生である。

日本でいうところの中2となるのだが、小学校よりギムナジウムの方が、男性教師が圧倒的に多い。

逆に、小学校では女性教師が多い。

日本ではどうだろうか。

 

娘の担任は生物教師で、親目線から見て、人気のある先生のように思える。

先日は豚の目玉の解剖を行い、筆記試験も書いた娘だが、先生には授業中の取り組み具合から、とても良い評価をしてくれているのもあり、筆記の成績が悪かったら、先生がガッカリするのではないかと心配していた。

いずれにせよ、そういった事も含めて、勉強するモチベーションになってくれたらと思ってはいる。

 

ある日、生徒会役員の生徒達が、授業中にお知らせを持って巡回してきた。

どういうわけか分からないが、生徒達の台詞の言い回しに火がついたらしい担任は、『ガラスの仮面』の月影先生か、はたまた『月刊少女野崎君』の演劇部の堀ちゃん先輩の如く、スパルタで指導をして、生徒会役員が台詞を忘れてしまい、パニックになってしまったらしい。

それで、生徒から

「先生、言い終わるまで喋らないで下さい!」

と突っ込まれ、小さくなってしまったらしい。

生徒達もこういう先生だから、気軽に言えるのだと思う。

 

子供達に聞いてみると、人気のある先生は

・面白い先生

・贔屓をしない先生

・気さくな先生

・授業が上手い先生

・元気な先生

だそうだ。

 

それと生徒との信頼関係があると、例え厳しい事を言っても納得するのではないか。

娘の担任は、生徒の心を掴むのが上手い。

それは生徒1人1人をちゃんと見ているからではないか。

 

そういえば、もう辞めてしまったが、日本語補習校で、人見知りのある娘が新年度初日から大好きだと言った先生がいた。

彼女もまた、生徒達の心を掴むのが非常に上手かった。

元気があって、いつも笑顔を絶やさなかった。

1番感心したのは、授業中での細やかな工夫だった。

日本語補習校といえど、現地校の勉強に加え、習い事をやっている子供達が多い中、いかに日本語へのモチベーションを保ちながら、日本で実際に使われている教科書で「国語」としての日本語を学ぶかは、言葉で言うより、実際にやってみる方が遥かに難しい。

しかし、その先生の授業を1年間受けて、もう退会しようかと言っていた子供がやる気を出して勉強を始めたり、実際に日本語レベルが上がったのを見ると、先生としての実力はかなりのものだと思う。

 

学習発表会では、娘のクラスは朗読劇をしたのだが、このクラスだけが全員で暗記をして臨んでいた。その時、子供達にかけた言葉は

「無理にする必要はないけど、もし全員が暗記で臨めたら良いね」

だったらしい。

そして3学期の終わりには、教科書に記載されてある小説をクラスで朗読し、そのデータを後日親に送って下さった。

それを聴きながら、子供達の日本語レベルがここまであるのかと驚きもし、ここまで引っ張ってこられた先生は凄いと改めて思った。

先生に授業の工夫を伺った事がある。先生は

「このクラスならできそうかなと思ったら、少し上を目指す形でやらせてみる」

と仰っていた。

クラス全体を見て把握しないと、そんな冒険はできない。

先生が生徒を信頼しているから、生徒が先生を信頼するのだろうか。

結局はお互いの信頼関係の成せる技かもしれない。