ある週末。
夫がテレビで映画のロードショー『タイタニック』があるから、倅に一緒に見ようと誘った。
丁度お昼時で前半は恋愛ドラマが主だから、お昼ご飯を食べてから、倅も一緒に観た。
最近4桁の数字を羅列するのが大好きな倅は、いつタイタニック号が沈んだとか、そういうのに興味があるものだから、夫が『タイタニック号』を特集した雑誌を買ってきたくらい一時期ハマっていた。
さて、そのタイタニック号を元にした映画は名作であり194分という大作であった。
ロードショーはCMを挟んであったから、約4時間くらいかかっていた。
主人公達がレストランにフォーマルな格好で行くシーンで、夫は当時の階級制度を教え、男性はネクタイをしていかないとレストランには入れないと話し、自分のネクタイを倅に結んであげていた。
沈没するシーンは迫力満点だから、倅が怖がりはしないか心配だったが、なんとか観れた。
倅が1番興味を持ったシーンは、ボートに乗る人々の順番だった。
「どうして男の人は乗らずに、女の人や子供を乗せてるの?」
との問いに、夫は
「そりゃあ、男は強いから、まず弱者である高齢者や女性や子供を乗せるんだ。自分だってそうするよ。倅君も、大きくなったら、自分の家族を守るんだよ」
と答えた。
「でも今は、僕はまだ子供だから最初に乗っても良いよね」
と心配になった倅は聞いたらしい。
倅よ・・・
いつか父親の言った事が理解できたら良いなあ、、、
自分の手で守りたい人が現れるかな。