そう、物事の観点はそこではないのだよ。
1つ語学といっても、相性があり得手不得手がある。
娘は英語が得意だ。しかもそれは、567禍の長期ロックダウン中に、Youtubeを見まくって、その時、弟に翻訳して教えてあげて習得した。
それと何かある度に、その時に適切な英語のフレーズを言って、倅と英語で会話をしていた。
正直言って、ちょっとうざったいなと思っていたが、対面授業が再開するようになってから、娘の英語力がメキメキと上がった。
知らない人に英語で質問されても、全く臆せずに会話を楽しんでいる。
英語のテストは好成績で、今年度から隔週で行われる、この地域のギムナジウムの英語が得意な子供達のみ集まる、英語で行われる討論会参加に推薦される程に成長した。
とはいえ、最初から英語が得意だったわけではない。
寧ろ苦手な方で、苦肉の策で、好成績だったら、好きなゲームを買ってあげると言って励ましてみても、なかなか上がらなかった。
そんな娘は現在、フランス語で苦戦している。
英語と同じような勉強法では上手くいかないらしい。
根本的な、何が分からないかすらも分かっていないようだ。
それでも四苦八苦しながらも、塾や家庭教師に頼らずにやってきた娘ではあったが、毎回本当にヒヤヒヤしてしまう。
なんせ留年や落第が容赦なくあり、毎年クラスメートの数が変わっていくので、明日は我が身と恐ろしい。
倅に至っては、なかなかどの教科の成績も上がらない。
こちらはこちらでヒヤヒヤが止まらない。
まあね、留年しようが落第しようが、長い人生の中のほんの一瞬の出来事だと思えば、大した事ないのだけどね。
結果が出るまでは、しっかり悪あがきをしようじゃないか。
※※※※※
ところで、日本から送った船便の荷物が無事に全て届いた。
第一便は家の前で20ユーロ以上を払わされたが、第二便以降は税関所まで取りに行かねばならなかった。
第二便を受け取る時、若い職員のにひちゃんが対応してくれた。
日本からの物で、全て自分のだと話すと、目の前で開封させられた。中年のベテラン職員がやって来て、入っているものを全て紙に書けと言った。それからドイツユーロで換算すると、大体どのくらいになるかも書かされた。
「これ全部、自分の物なんですけど」
半ば呆れて言っても、この職員は「しないといけない」の一点張りだった。
申し訳なさそうに、若いにひちゃんが私を見つめる。それでも幸いな事に、お金は支払わなくて済んだ。
第三便から第五便までは一度にきた。
今回は夫も同伴した。というのも、荷物が3箱となり、多すぎて、とても自分1人では持ち運べないからだ。
今度は、制服姿の若いにひちゃんが対応してくれた。
その彼の傍に立っている若い眼鏡女子は、実習生か研修生かもしれない。
この2人の立ち合いの元、荷物をそれぞれ開封したが、中身の確認のみで、呆気なく終わってしまった。
以前、母から倅にランドセルが贈られ郵送された際に、幾ら理由を説明しても、税関所でランドセルの値段をインターネットで調べれられ、その値段分だけ支払わされた。
税関に関しては、どれが基準なのかが未だによく分からない。
第一便のように家の前で支払わされ、開封されずにそのまま渡してもらえた事もあるし。
ともあれ、これに関しては、一件落着した。