子供等が元気でいるのはありがたい事だが、もう少し歩き方に注意をしてもらいたいと思い、ゆっくり歩くように言ってみた。
「抜き足差し足忍び足で、泥棒みたいに静かに歩いて」
忍び足だから、忍者の方が的確な表現なんだろうと後で気付いたが、とにかく静かに歩けということだ。
この言葉は昔から使われているが、一体どういう意味なのか。
抜き足とは足を物から抜くように上げて、つま先で歩く事。
差し足とは足をつま先の方からそっと下ろして歩く事。
忍び足とは音を立てないで歩く事で、これが一般的によく用いられているという。
ついでに、すり足というのもあるらしい。これは足の裏で、地面や床などをするようにして静かに歩く事、だそうだ。(いずれもgoo辞書より引用)
ドイツでは子供達に「静かに歩け」をどう教えているんだろう。
子供等曰く、
"Wie ein Indianer schleichen" (インデイアンみたいに、こっそり歩く)
だそうだ。
ドイツとインデイアンは、なんとも無関係なようにも思えるが、意外と繋がりがある。
ザクセン州の小説家カール・マイ(1842〜1912)の冒険小説のウエスタン物が有名で、その昔、映画化された。今でも野外劇場で芝居が見れる。
私もハンブルグの野外劇場で、カール・マイの西部劇を観た。
インデイアン等が馬を操り、舞台を所狭しと駆け回る迫力ある演出に度肝を抜かれた。
夫は彼の小説を全巻持っていて、西部劇ごっこができる小さなフィギアまで実家に置いてあり、子供等が小さかった頃は、それを出して、よく遊んでいた。
ドイツ語を語学学校で勉強した頃に担任だった男性のドイツ人講師も、カール・マイを愛読していたそうなので、当時の人気ぶりがうかがえる。
chiriyama-nikki.hatenadiary.com
そういえば、今でも男児のカーニバルの衣装で根強い人気なのがカウボーイだし、時々、街では乗馬やウエスタンのワークショップが催されている。
カール・マイのウエスタン小説の中では、主人公がインデイアンと熱い友情で結ばれており、主人公よりも人気がある。
またフランス産の『Yakari』というインデイアンの少年が主人公のアニメも近年放送されていて、子供達はよく見ているのだ。
まあ、確かに、泥棒よりはインデイアンの方が聞こえは良いか(^_^;)
娘は
「大きくなったら、普通に静かに歩け!だけになるよ」
と言うけれど、将来、結婚して子供が生まれたら、「インデイアンみたいにこっそり歩け」と教えるのだろうな。それとも「抜き足差し足忍び足だよ!」と言うだろうか。
ちょっとワクワクしてきた。