昨夜、夫が旬のプルーンケーキ(Zwetschgen Datschi)を買ってきた。
Zwetschgen Datschi はバイエルン州アウグスブルグが発祥だそうで、プルーンがふんだんにのっていて甘酢っばい。生クリームをかけて食べると格別に美味しい。
それで今朝の朝食は、このプルーンケーキとなった。
丁度生クリームを切らしていたので、近所のスーパーに朝一番に買いに行った。
さてプルーンだが。
庭に植えている家庭があり、毎年たわわに実った所をバケツいっぱいに収穫し、生で食べたりジャムにしたりケーキにしたりする。
夫の同僚から大量のプルーンを頂いたら、消費するのに忙しい。
11年程前の事だ。
義父が入院中に「プルーンケーキが食べたい。まだないのか」と聞いてきた。
「今は春なんで、プルーンケーキが食べれるのはもうちょっと先ですね」
と話したのを覚えている。
義父はその年の6月に、楽しみにしていたプルーンケーキを食べずに他界した。
義両親の朝食は毎回ケーキで、それは甘い物が大好きな義父の為だった。義母はその為に、沢山のケーキを焼いた。勿論、プルーンケーキもレパートリーに含まれていた。
今でも義母宅に行けば、朝食にケーキが出てくる。
その年の秋、義母宅に訪問した時に、ベーカリーで買ったプルーンケーキを皆で食べ、故人を偲んだ。
義父が他界した1年後、バーデン・ヴルテンベルグ州シュトッツガルトのある大手企業に実習生として滞在していた際に知り合った初老の独日カップル宅に、実習後、数年してから、まだ小さかった子供を連れて遊びに行った。
丁度、今の時期だったのもあり、庭の木に実った大量のプルーンを採って、それでドイツ人のご主人がプルーンケーキを作ってくれた。
それがとても美味しくて、ついつい、おかわりをしてしまった。
日本人の奥さんはカレーを作ってくれ、皆で食べた。
娘はこのご主人によく懐いた。
仏頂面なのに、子供心をよく掴む人のようで、娘に本当の孫のように接してくれた。
まだ倅がこの世に生まれていなかった時の話である。