ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

夏のある日

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夢は大きくて良い

夏休み直前にソレは突然やってきた。

ドイツの夏休み期間は州毎に違う。

私が住んでいるバイエルン州では、夏休みは7月下旬から9月2週目の月曜日までとなる。

その年の夏は日本に家族全員で帰国する事になっていた。それで、日本に帰国する際に母へのお土産としてマイセンの陶磁器のテイ―カップを購入。娘は友達の家に泊りに行っていて不在。倅と夫と私の3人で高価な食器のコーナーへ出向いた。

包装してもらっている間、倅は大人しく私の傍で、映し出されるモニター画像を見入っていた。その後、自宅の壊れたトイレの蓋を直す為、夫と共に近所の店に出かけていったが、今日やるべき全ての行動が一段落した後、倅が

「僕は陶芸家になりたい」

と言い出した。夫には既に買い物中に話していたようだ。

消防士や警官といった、ドイツの男子のなりたい職業の王道を遂に卒業したかと感慨深いものがあったが、それにも増して、陶芸家とは。陶芸家もそうだが、マイセンの陶磁器職人なんて、かなり修業を積まないと難しそうだが、あのモニター画面を見て面白いと感じ、そんな風に思える感性が素敵だと思う。というわけで、倅の気持ちを応援すべく、日本で陶芸コースにでも受講させようかと本気で考えた。

調べてみると、実家近くに陶芸教室があるではないか。

早速メールを送ってみた。

そしていつかドレスデンに行った際には、皆でマイセンまで行き、そこで本場の陶磁器の工程を生で見学してみようと思う。

 

翌日、娘がお泊りをさせてもらっている場所に、倅と共に行ってきた。

暑かった・・・

それで倅も少しだけ水浴びをさせてもらったのだが、自分は何をすれば良いのか分からない様子で、とても困っていた。

「好きな事をすれば良いんだよ」

と話しても、何も自分で決めれない感じだった。それでこちらが

「これをしたらどう?」

と促しても、どうしても出来なかった。興味を示していたプレイモービルの家も娘と他の子が使っていて、一緒に遊んでも良いか聞いたが、駄目だと断られ、それで何も出来ないと思ったらしい。

時間も余りなかったので、だったらもうお母さんと一緒にいれば良いよと話した。

ただホストのお宅からすると

「前はもっと元気な子だったのに。大丈夫なのか?」

と感じたらしく、そのように言われてしまった。これも二次障害なんだろうか。。。ホストのお宅には、一連の事件は話していないので、私達の現在置かれている状況を知る由もなし。そう言われても仕方がない。

 

しかし元気が良過ぎると怒られ、大人しくしていると心配されるというのはどういう事か。

 

確かに子供もどうしたら良いか分からなくなるわな。

同時に、私もどう接したら良いかも分からなくなってくる。人の話を聞いても聞かなくても、自分が思う方向に行けていないので、何が良いのかすらも分かっていない。泣けてくる。

 

娘に倅は陶芸家になりたいんだってと話したら

「仕事を持つ三か条を覚えておいたらいいよ。

  • お金を稼げる仕事
  • 好きな仕事
  • 後悔しない仕事

と、大人っぽい事を言う。本人も一生懸命考えた結論らしい。凄いな娘。