娘は小さい頃から男勝りな性格だった。
きっと私と仲良しの友達は殆どが男の子のお母さんだからかもしれないが、小さい頃の遊び友達は大体男の子だった。
幼稚園、小学校と仲良しの女友達もできたが、女子力は相変わらず少なかった。
女子力の高い友達の恋の相談相手になってあげていたりしていた。
ギムナジウム(高等中学校)に入学したての頃(つまり5年生)、身体を動かした方が良かろうと運動部に入らせた。理系で男子が女子より多いギムナジウムなのもあってか、クラスも女子が少ない。運動部も男子ばかりで女子は娘一人だけだったらしい。
当然つまらなかったらしいし、からかう馬鹿者もいたそうで、そういう時は、武術でのしてやるらしい。
私も中学1年の頃、必須で入ったクラブ活動の美術部に何故かヤンキーしかおらず、(1人、同じ学年の男子がいたが、こいつも私と同じ絵が好きでたまたま入っただけだった)糞つまらない想いをしたので、娘の気持ちが分かる。
娘は1年間頑張って通い、6年生になった時、晴れて念願のチェス部に入部したのだった。
そこでも当然紅一点ではあるが、全然退屈しないらしい。
チェス部の男子は皆優しいし、娘の大好きなハリーポッターが好きな子が多いから、話が合うのだそうだ。私達一家は視力が良く眼鏡に縁がないので、余計に部内の眼鏡男子が気になったのだろう。初日に興奮して
「顧問も含めて、殆どの子が眼鏡をかけていた」
と熱く語っていた。
うん、まあ・・・眼鏡は人を3割増し賢く見せるよな。
実際ギムナジウムに通う男子だから賢いのだろうが、その上チェスをやってるとなると、王道ではないか。
そういえば、ドイツでも『眼鏡をかけている=賢い』と見られるらしい。万国共通のようだ。
そして娘はここでも男勝りを発揮しているようだ。
あの子に勝った、この子は強いとか色々教えてくれる。
本人の実力はいか程のものか分からないが、青春を謳歌しているようで何よりではある。