隣の学区に引越してから、娘は冬は自転車ではなく、行きは夫の車で、帰りはバスと路面電車を乗り継いで登下校する。
電車は5分間隔であるが、バスは15分置きなので、乗り遅れてしまう事もあり、そうなると、重い荷物を背負って、路面電車の停留所まで向かうのだ。
バスでは、同じ方向に帰る生徒もいて、たまに一緒に乗り合わせる。
今回は同級生の男子で、もしかしたら、レベルを落として転校するかも、と言っていたらしい。
学校外で、こうやって話をするのは滅多にない。
しかも少々重い話ではある。
現在、娘のクラスにも1年留年してきている子がいる。
倅のように、小学校入学を1年遅らせる事もザラにあるし、また、留年して同じ学校に留まるよりもレベルを落として、違う学校に転校する、という選択肢もある。
なかなか希望通りにはならないものだな。
私が某研修をした場所にも、倅のように小学校の入学を1年遅らせたドイツ人がいた。彼に聞いてみると、
「別に大した事ではない」
と言っていた。
長い人生の中で、1年遅らせても、留年しても落第しても、実は大した事ではない。
その渦中にいる時は、なかなか気が付かないものだけれども。
小さな挫折が元で絶望してしまい、誰にも相談できず、悲しい決断をしてしまう若者がいる。
ドイツでも多いのか、私が知っているだけでも、数人はいる。
今はコロナで、そんな若い人達が増えているそうだ。
長期ロックダウンは、肉体は疎か、精神をも脆くしてしまうのだろうか。
もう、以前のような日常には戻れないだろうと誰かが言っていた。
ならば、戻れなくても、前よりもっと良い方向に向かうようになれたらと願っている。