ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

真夏の悪夢

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半分こは難しい。


7月に入った。

その週は久々にドイツ語講師の代行の仕事が入り、張り切っていたにも関わらず、水を差す事件が起こった。

 

授業中に療育園から再三電話が入り、倅が悪過ぎるから(加配の手に負えないと、加配本人から電話が入った)迎えに来てほしいと言われた。

「今は授業中なので、12時半に終わってから、すぐそちらに向かうから待っていてほしい」

と言うと、渋々承諾された。

12時半になり、タクシーで向かおうと思い、タクシー会社に電話を入れていた矢先、加配からまた電話。

「これからそちらに向かうから、職場の住所を教えてほしい」

と言われた。それで彼女を待っていると、倅が満面な笑みで車から降りてきた。一体どうしたの?!

本人はカオスだとだけ言う。それじゃ分からんよ。

加配と少し話す。私は今置かれている状況を説明した。また泣けてきた。

 

加配はそんな私に同情しながらも、家庭訪問を受けるべき。小学校も加配を付け、学童も療育系の学童にするべきと言われた。それを申請したのに、それに関しては全く動いていない。ただ突然虐待の疑いをかけられ家庭訪問を受けろと脅されているだけなんですが?!と話したら絶句された。

あとはもう、今回の件で誰も信頼できなくなったと話した。

倅はPCでお気に入りのゲームをしたいが為に、今日と明日はお利巧さんでいると言った。なんてゲンキンな奴なんだ。こちらの気も知らずに・・・

偶然だが、私が仕事に行った二日間で起こったので、私が仕事に行く事が原因なんだろうかと悩む。ならば、私は何もできないという事になる。

夫に「倅と二人だけで日本に残りたい」と弱音を吐いてしまった。負けてしまいそうだ。頑張れ自分。

 

翌日も。

加配から、しかも今度は朝一番に電話がかかってきた。

今回は、もう手に負えないから、すぐに迎えに来てほしいと言われた。呆気に取られてしまった。でも夫が確かそちらに行って昨日の話を聞きたいと言っていたので、夫は来ていないか聞いてみると、来ていないらしい。

結局夫と連絡がつかないという事で、10時頃に私の職場に来た。

この日は裁判官がやって来て、私の生徒達にドイツの法律についての講義を行っていたので、私はそこまで授業に集中しなくても良かったのが幸いだったが、こんなのが毎回続いたら、とてもじゃない、かなわない。

 

一体どういう事なんだ!?

急いで建物を管理している事務員に話して、倅が授業時間に教室に入る事に承諾を得た。

 

それでも加配と倅がやって来た時には、余りにも腹が立ち過ぎて、彼女に怒りをぶちまけてしまった。つまり彼女は全く自分の仕事をやっていない事になる。

そして療育園も全く機能していない事になる。

専門医に相談したくなった。

私が仕事を持たない方が良いのだろうか?

「社会福祉事務所からの手紙には、倅は絶対に療育園に最後まで行けと書かれてあるが、毎日行かせていて病気や怪我でもないのに、手に負えないからと言って、再三連絡してきて迎えに来いというのはどういう事ですか?!」

と話すと、平謝り状態。いい加減にしてほしい。

教室に戻った私達を生徒達は快く迎えてくれた。まあ、裁判官が話してるのを聞くだけなんだけど。倅は私の隣で、とても大人しくして講義を聞いている。

偶然、木曜日は子供の見守りをしてくれるボランテイアが来たようで、倅を預かってくれた。良かった・・・

 

誤解のないように若干補足しておくが、この療育園には、再三面談や授業参観がある。それで参観してみると、倅を中心に、子供の相手をさせられる羽目になる。倅が入園した当初から1年程は、子供に常に関わっている素敵な療育士さんがいたが(倅を担当していないようだったが)、その人以外は、親が入ると怠けるのか甘えるのか知らないが、丸投げさせられる。全く信じられない。

その人がいなくなると、益々、丸投げの傾向が強くなり、終いには、普通の幼稚園と大して変わらないようなプログラムになっていった。

それが壁に貼ってあるものを見るだけで一目瞭然だった。

 

特別支援学級であろうが療育園であろうが、そこにいる大人次第だ。

普通の学校やクラスであっても、担任次第で、子供の発達の伸び具合は変わってくる。

お子さんが発達障害で、特別支援学級に通わせている友達が言っていたのを思い出す。

 

休憩時間に夫と電話で話せた。

夫は結局療育園に行かずに、電話で話したらしい。それで

「あり得ない。もし明日もこんな状態なら、加配はその為にいるのだから、外に出て二人で散歩するとかして気を静めたらどうかと提案した」

と言っていた。本当に、馬鹿にするのも程がある。

 

帰りに寄ったガソリンスタンドで、倅を見てくれたボランテイアの人と偶然会った。お礼がてら彼女に珈琲を御馳走し、少しだけ話した。

「私は仕事柄、今迄沢山の子供を見てきているけど、倅君は大丈夫よ。とてもお利巧で落ち着いていて、しかも小さい子に優しいのね。小さい子が玩具を取っても、大丈夫って言うし。何かあった時も、ごめんなさいって言う。良い子だよ」

そんな風に言ってもらえ、心に染みた。

成り行き上、倅の療育園の話をすると、首を傾げて、それは変だ、有り得ないと言っていた。

因みに、夫が聞いた話によると、今日の問題は、クラスの女子とゲームして負けたのが悔しくて怒って、それで後は癇癪を起して叫んだとか・・・はあ・・・

たったそれだけの事を収めれないのか?!呆れて物が言えない。

普通の、30人くらい子供がいる幼稚園ではなくて、たった10人しか子供がおらず、『それなりの専門知識』を身につけた大人が3~5人もいるのに、何故対処できない。

 

夕食時に、つい子供達の前で怒りをぶちまけてしまった。

倅が悪いわけではないが、これではどうにもならない。その為の療育園なのに、その為の加配ではないのか?

誰が金を払っていると思っているんだ。仕事をしろよ仕事を!!!