ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

名前の威力

f:id:ayayukimoto:20210126181304j:plain

 

我が家には、物に名前をつけるという習慣がある。

 

私も大昔、自分のぬいぐるみ達に『キャプテン翼』の推し伽羅であった若林源三、カール・ハインツ・シュナイダーと名付けていたので、恐らく、この習慣は私からである。

 

その内、夫まで、ぬいぐるみに名前をつけるようになった。

ある時、娘の友達の誕生日会に呼ばれて行き、その子のクマのぬいぐるみに勝手に「ホンキートンキー」と名付け、もうホンキートンキーでしかないようにさせてしまった。

 

日本では妖怪を名前で縛る呪術がある。

西洋でも、エクソシストが悪魔本人に名前を言わせ、それで憑依した体から悪魔払いをする。

要するに、名前というのはそれ程の威力があるわけだ。

 

慣用句に 名は体を表す というのがある。

名前と実体は一致するという意味だ。

つまり、親から付けられた名前は、その由来の通りになっていくというものだ。

だから名前をつける人は、実は責任重大なのだ。

 

さて、我が娘は、色々な物に名前を付ける。

ぬいぐるみや玩具のみならず、壊れて使えなくなったマウス、自分の抜け落ちた髪、ゴミ、埃にまで、名前を付けるから手に負えない。そうなると何故かゴミが私に、「捨てないでくれ」と訴えてくるのだ。

 

これもある種の呪術というものか。

恐るべし!

 

しかし無慈悲な私は容赦なくゴミ箱に捨ててやるのだった。