2012年 / 90分 / ドイツ ZDFにて制作放送
監督 Dror Zahavi
主演 Heino Ferch、Bernadette Heerwagen
1972年ミュンヘンオリンピックの最中に実際にミュンヘンで起きたテロ事件を映像化している。
『黒い九月』と呼ばれるパレスチネンザの武装組織がイスラエルへの報復、パレスチネンザ解放の為にイスラエルの選手達を人質に取った。ドイツの警察はテロを甘くみてしまい、その結果、11名が殺害されてしまった。
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人質が取られている間、周囲の反感を買いながら試合を続行しているシーンがあった。
結局最後には中断したようだが、それまで他の国の選手達はさぞかし複雑な気持ちで試合に臨んだのではないだろうか。
選手達が亡くなってしまった時は、追悼式を催し、彼等の為に皆が黙祷を捧げていた。テレビで中継されているのだが、恐らく当時の映像を使っているようだった。
同じく、オリンピックのシーンは当時の映像だろう。そこがまたリアルだった。
実はこのドラマの前にドキュメンタリー番組も観たが、こちらとドラマでは若干違いがあった。
ドラマや映画って、やっぱり大衆を意識しているからか、女性を余計な所で出してきたり、選手の一人(とその妻)に焦点をあてたような恰好になっている。
特にクライマックスでは、知り合いでもない2人の主演女優が人質が囚われていた場所に赴くのは、いささかやり過ぎだと思う。
因みに、この教訓を生かし、ドイツは6年後に起きたルフトハンザ航空181便ハイジャック事件では死者を一人も出す事なく、人質救出に成功している。
それでも小さいながら今でもテロの脅威は続いている。
難民を多く受け入れてしまったが為に、宗教行事が行われる度に、少々緊迫した時期を過ごす。
世の中、なかなか良い方向にいかないものだな・・・。