ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

今は昔。

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娘3歳 クリスマスで

 

昨日、娘は頭が痛いと早退してきた。

本当は大好きな先生の最後の授業があったのに、そこまで我慢できなかったらしい。学校から電話がかかってきた。

思えば、娘は楽しみにしているイベントや何かでは、必ず病気になっていた。

36週で生まれたから、気管支や肺が弱く小児喘息もあったので、丈夫になっているものの、何かあると状態が悪くなる。

倅は切迫早産が危ぶまれたが、結局39週で大きく生まれたからか、病気になっても重症化する事が少ない。

大きく生まれた者と小さい状態で生まれてしまった者の違いだろうか。

 

本日は動物園に遠足があるのだが、結局それも行かない方が良いだろうと思い、欠席させた。

本人は先週から、暑いし徒歩で45分間行くしだるいし動物には触れないんだしとボヤいていたのだから、休んでも良いじゃないのと言ってはみたものの、結構しょげているように見える。

 

そんな娘の小さい頃の話。

娘が遊びに行く友達は全員キッチンセットを持っていた。

大きくて立派なやつだ。立って遊べる。

大抵は木製で、それだけでちょっとしたインテリアになるくらい素敵だった。

果物や野菜が木製で作られてあったり、毛糸で編まれてある手作りの物だったりと、ママごと遊びが楽しくなるような、そんな感じだった。

かたや娘は持っていなかった。

詳細は省くが、我が家の住宅事情で、大きな玩具を当時は置けなかったのだ。友達を招待しても、何も遊ぶ物がないと皮肉られた事もあった。

否、あるにはあるのだが、一般家庭に置いているような玩具が余りなかったから、遊べないからつまらないと言われた。

また当時は招待されたら、こちらも招待するような交流を持つようになり、ママ友の1人から

「家が狭いなんて、全然気にならないよ」

と言われるのだが、実際に招待すると

「確かに貴女の家だと、子供は遊べないかも」

と嫌味を言われたりした。

それで自然に交流が持てなくなり、距離を置いた人もいた。

誕生日会やお泊まり会も我が家ではした事がない。誕生日会は遊戯施設の一角を借りて、当時のお友達を招待して1〜2回やった程度で、小学校に上がってからは、家族だけで誕生日を祝っている。

こういうのはドイツでは稀なのか、毎年子供も大人も誕生日会を盛大にやっている家庭が多い。

 

さて娘が3歳のクリスマスに、サンタクロース(私)から小さな持ち運び可能なキッチンセットが贈られた。といってもバッグになっているもので、開けたら小さな台所に変身する。プラスチックの野菜や果物があり、フォークやナイフ、そしてお皿、コップなんかも入っていた。

近所のスーパーマーケットで偶然見つけて、これなら良いかと購入したのだ。

 

その時の娘の目の輝きは忘れられない。

今でも彼女は時々あの時の感動を口にする。

「本当は友達が羨ましかったんだよ。私も小さいけれど、やっと自分だけの台所セットがもらえて、とても嬉しかった」

 

当時の娘の写真には、ダンボールや紙で作った玩具で遊ぶ物が多い。

物がなかったからというのもあるけれど、娘は早い内から工夫して、自分で色々作って遊んでいた。それは彼女の想像性を豊かにしたようで、今でも娘の作るものは創意工夫があり遊び心が多分に含まれている。

 

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倅を出産する頃には、娘の玩具事情も変わってきた。

夫が単身赴任を終え、毎日家に帰って来るようになったのが大きいかもしれない。

また沢山の知り合いが、使わなくなった玩具を持ってきてくれたりするので、人並みには揃った。

ともあれ、今の状況では考えにくいが、昔はそんな事もあったなあと思い出してしまった。