良い日和ですね。
ドイツでも桜がチラホラお目見えとなってきた。
お向かいでは桜を植えているようで、毎年花を咲かせてくれ、目を楽しませてくれる。
今はまだ二、三分咲きくらいですかね。
娘の親友の家にも桜の木がある。
うちのアパートの大家は一昨年に前庭に桜の木を植えてくれた。
「日本の桜なんですよ」
と、わざわざ私に言ってきた。
娘の中学1年の日本の教科書にジャーナリストの鈴木嘉一さんが書かれた『桜守三代』という話が載っていた。
海外に住んでいる娘のような中学生には少々難解だろうなと思う。
日本の中学生対象の教科書なんだから当たり前なのだが、どうして桜守と呼ばれる人が存在するのか、ましてや桜への情熱というのは想像しにくいのではないだろうか。
事実、彼女が書いた感想を読むと、余り理解できていないようだった。
桜守は全国各地にある名桜を定期的に守りに行く人の事だが、これは職業ではないらしい。
桜道楽とも取れるが、全国の桜を見守り歩く、そして必要とあらば、手入れをするという。
そうやって日本の桜は愛しまれてきたのだろう。
自分を愛して止まない存在がいるのは、動植物であっても幸せな事だ。
大切に育ててくれているのに応えるように、一生懸命綺麗な花をつけるのだろう。
私は夫と一緒に日本で桜の季節に結婚式を挙げた。
あと1週間遅かったら、散っていた。
桜は短い期間しか咲かないから、海外から来るゲストよりも桜の都合を優先した。
その結果、満開の桜の下で式を挙げる事ができた。
その後、ゲストの3家族と共に観光ビラを拠点にして車で夫のお勧めの場所を走って廻った。
行く先々で満開の桜に囲まれ、堪能した。
そういうのもあって、ドイツから日本に観光するなら絶対に桜の咲く頃を勧めている。
桜に対する感覚は、やっぱり日本で生まれ育っていないと理解できないだろうなと思う。
そういえば、私の子供達は、まだ一度も春に帰国していない。
春はイースターがあるし春休みも2週間しかないので、義母を訪問するようになり、どうしても日本帰国はしにくい。
結果いつも夏休みに帰るようになってしまうのだが、いつか子供達に本場の桜を見せてやりたい。
そうしたら、桜守の想いなんかも少しは分かるようになるかな。(まあ、1回では無理だろうけど)