最後に日本に帰国したのは、2019年の夏だった。
長年ドイツで生活していると、久々に帰国で、まるで浦島花子のような錯覚に暫く陥る。
日本に暮らしていた時は当たり前だった事でも、時間が経てば、全く違う感覚になるようだ。
今日はそんな事を思い出しながら書いてみようと思う。
その1
全てが柔らか
久々に帰ってくる私達の為に、実母が並んで買ってくれた当時評判だった柔らかい食パンが衝撃的だった。
ドイツではパンも豆腐も固い。歯応えがある。
日本の木綿豆腐だって、ドイツの絹豆腐より柔らかいと思う。
そんな固い物を普段食べている子供達は、1番最初に柔らかい食パンを食べた時、変な顔をしていた。
その2
トイレが快適
大昔、母がここに一瞬だけ遊びに来た思い出は、
「トイレが冷たかった」
だった。
余程、印象深かったのだろう。毎回言われる。
私の子供達は、日本で和式用のトイレのやり方を覚えた。
倅に至っては立ってするのを覚えた。
以前通っていたドイツの療育園や幼稚園では、立ってする用の便器がなかったので、子供達は必然的に座ってやっていた。恐らく、そのようにも教わるのだろう。
小学校には普通に立ってする便器もあるから、幼稚園までなのだと思うが、どうやって教えたら良いか、ちょっと悩んだりしたものだ。
なので、日本帰国で立ってするのを覚えたのはありがたかった。
その3
引き戸が多い。
実はずっと引っ越しを考えていて、チャンスがあると色々見て廻るのだが、最近内見に行った家に引き戸があり感動した、と同時に懐かしさが込み上げてきた。
日本は引き戸が主流だったなあ。。。
病院の診察室も学校の教室も市役所の部署も実家だって引き戸だった。これって、ドアを開けるスペースを取られる必要がないから、機能的な気がする。
その4
街中からゴミ箱が消えていた。
これが1番衝撃的でした。
うちの郷里の街中にはゴミ箱がなくて、ゴミが落ちていなかった。
ゴミ箱がないから、ゴミを出しにくくなる。このアイデアを出した人は凄いと思う。
そういえば、うちの安アパートの前庭は道に面しているのだが、前の大家は何も手入れをしなかった。すると誰かが勝手にゴミを捨てていき、住んでいる者としては非常に迷惑だった。
しかし大家が代わり、前庭をガーデニングしたら、ゴミを捨てる人がいなくなった。
街中からゴミ箱が消えたのと似てる発想だと思う。
ゴミのポイ捨てをしたら罰金を取られるより、余程良いような気がする。
ドイツでは分別ゴミをするが、地域によってはごちゃ混ぜにして捨てていたりする。
バイエルン州は大変厳しいが、義母がいる地域は、分別の規制がされていても、家庭内で出たゴミに関しては守っている人が少ないように思える。
なので、義母の家に行って、ゴミ出しをする度に気持ちがモヤモヤしてしまう。
今度はどんなカルチャーショックになるかな。
次回の帰国(この状態では、いつ帰れるか分からないけど)まで、お楽しみは取っておいておこう。