ちりやま日記

ドイツで子育てのあれこれ、本やドラマや動画の感想等を綴っていきます。

オンライン授業で気になった事

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倅作

テーマ:コロナが終わったらしたい事

 

ようやく全学年で分散登校の兆しも見え始めたドイツだが、今迄オンライン授業を見てきて、特にグループ分けされて少人数で話し合いをする事に関して、気になった点を書いてみたい。

 

授業中に隣同士、またはグループ分けされて1つのテーマで話し合って決めていかなければならない事があるが、子供により得手不得手があるし、教師は手助けをしなくても、実際に見守る事は必要だと痛感している。(要するに対面授業の方が良いという事ですね)

 

特に低学年は何をするのか理解できていない子供が多くなるので、闇雲にグループ分けするものではないと思う。

グループ分けをした途端に臆してしまい、何も話せなくなる子供もいる。

そればかりか、授業に参加する意欲さえなくなってしまうようで、同じグループの子供達が呼びかけても、ミュートを解除せず、ずっとダンマリを決め込んでいたりしていた。

 

高学年に至っては、普段からグループに分かれての話し合いを持っている為、低学年よりは慣れているかもしれないが、先生が入ってきていないと判断すると雑談に興じるようになる。低学年でもそれはあるが、大抵は親が近くにいるので、状況は少し異なる。親がいない場合は、高学年と同様になる。

もしくは、全員が画面も映し出さないようにし音もミュートにして、沈黙のままになる。いるのかいないのか、また何をしているのか見えないし聞こえない状態になるから、苦手な人は耐えられないだろう。

高学年の場合は、ある程度要領を得ているからか、突然先生が入ってきたら、そこだけちゃんとやっているような素振りを暗黙の了解で皆で演じていたりする事もある。

 

勿論、真面目に話し合いをするグループもある。

誰かが一声出してから、それに続くような感じにも見受けられる。

リーダーシップを発揮する子供がいるグループは幸いだ。

しかしこういう子供は余りおらず、大抵は(うちの子も含めて)受動的となる。倅の場合は、大体私が隣にいるので、誰も喋らない場合は、倅を突いて話を進めるようにしている。倅が先生が掲げたテーマに沿って話すと、他の子もそれに続く。

先生がいる場所に戻ってきた時に

「何も話さなかった」

と言っているグループは恐らく、我が家の経験から、リーダーシップを取る子がいなかったか、気を利かせる親が隣にいないかのどちらかだと思う。

 

Teamsを学校で使っている場合の疑問点としては、以下のものが挙げられる。

教えてもいないのに、子供や教師の名前さえ知っていれば、相手のアカウントを簡単に探す事ができるのだ。確かに便利ではあるが、場合によっては苛めや問題に発展する可能性もある。

個人的なやり取りを本人同士が望めば良いが、そうではない場合は、大丈夫なんだろうかと思う。

 

チャットやリモート操作がホスト以外でも勝手にいじれるようになっているのか、気に入らない人を勝手に追い出して授業を妨害する場合もあった。

各家庭のネットの不具合から勝手に追い出されたのだろうと、始めは気に留めていなかったらしいが、その内ホスト役の教師まで追い出されたそうで、それ以後は教師以外はいじれないように操作し直したという話も聞く。

 

教師の方にも授業妨害が及んでくる。

ある教師のオンライン授業を生徒が勝手にボイコットしたのだ。

先生が

「顔出しするように」

と促すと、1人の子供が

「カメラ機能がついていないので、できません」

と共有チャットに書き込んだ。一部の子供達もそれに続いた。(本当はカメラ機能があるにも関わらずだ)

更に発言を促すと、いつまで経っても声が聞こえない。

「ミュートを外すように」

と促しても、そのままだった。

この子供がわざとしたのか、それともたまたま使っているIT機器かネット接続の不具合かはわからないが、とにかくその日の授業は、その教師にとっては良いものではなかっただろう。

 

私も講師をしていた事があるから、この教師の気持ちは痛い程分かる。

私の場合は、コロナ前なので対面授業での話だが、誰も授業に参加しない事が何度かあった。そのコースは難民対象で市が難民に通知を出し、突然転居させたりコースを変えさせられたりするのだ。それをコースを持っている講師には殆ど知らせる事がなく、30人以上いた生徒達がいつの間にか0になる事もある。

これと上記の問題点は全く異なるが、それでも自分がその日の為に時間をかけて準備したものを使えなかったり、長い通勤時間を使って行き、生徒が来るまで待つのを何度も経験すると、仕方がないとはいえ、教える側だってモチベーションは下がっていくのである。

 

また気持ちの捉え方で、自分は被害に遭っていると勘違いする場合もある。

1人の子供が

「何度も追い出される。ミュートにされる」

と授業中に訴えた。先生が

「誰か、〇〇さんの音をミュートにしてるの?」

と聞くが、誰も答えない。その後もそういう問題が続いていた。

グループ分けにした後、教師がいる場所に戻ろうとして、結局入れなくなった。

教師がその子に呼びかけてはいるが、全く答えようとせず、その後チャットで親から「どうしても入れなくなったので退出した」とあった。

始めは、この子は苛めに遭っているのだろうか?と危惧したが、どうも本人の勘違いだったようだ。

 

ドイツでは、オンライン授業による弊害を余り問題視していない気がする。

寧ろ、成功しているという風な評価があったりすると、首を傾げてしまうのだ。

オンラインの利点を活かしたやり方で授業をするのなら良いが、対面でやっていた時と同じような内容をオンラインでも求めるのは違うと思う。