2015年公開/ ステイーブン・スピルバーグ監督/ 141分
主演 トム・ハンクス
倅が大好きな映画で、彼は4回くらい観ている。(それで今年のカーニバルには、スパイの格好をしてオンライン授業に臨んでいた。)
実際にスパイ交換が行われたグリーニッケ橋での出来事を映画化している。
冷戦時代、主人公の弁護士ドノヴァン(トム・ハンクス)がソ連のスパイであるアべルの弁護を担当した。その後、ソ連に捕まったアメリカの偵察機のパイロットであったパワーズとドイツに留学していたアメリカ人の学生プライヤーと身柄を交換するのを条件に、ドイツのグリーニッケ橋でアベルはソ連に生還する事となる。
最初に橋の近くのアパートに住んでいる描写はタイトルを彷彿とさせる。
ドノヴァンとの交流を通じて、徐々に友情が芽生えてくる様子が伝わってくる。
当時ドイツは東西に分断されていて、壁が造られていた混沌とした時代だった。
ドノヴァンがアベルをソ連に返す交換条件に出したのは、ソ連と東ドイツで拘束されていた2人のアメリカ人だった。
結果的に2人共、無事にアメリカの地を踏む事ができ、そしてアべルもまたソ連に戻った。
アべルはその後も10年くらいは生存して、ソ連の為に働いたようだ。
父親であり夫である1人の弁護士の奮闘によって、3人の命が救われた事実を淡々と描いている。
ラストシーンで帰ってきたドノヴァンが寝室で突っ伏して爆睡しているところに妻が入って来る。
彼女はテレビのニュースで夫が何をしたのかを知るのだ。
疲労困憊して眠りこけている夫を静かに眺める。
ドノヴァンはアべルの命を助けた事で、彼とその家族は一時期酷いバッシングに遭うのだが、その後はアメリカ人を救った英雄となる。
細かな描写が上手い。
トム・ハンクスの演技が光る。
ヒーローというのは、こういうものと淡々と伝えている。それが静かな感動を沸き起こすのだ。